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圧迫性ニューロパチー

最終更新日:
2018年09月14日
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2018/09/14
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概要

圧迫性ニューロパチーとは、末梢神経が慢性的に圧迫され、ダメージを受けるものです。

ニューロパチーとは末梢神経が障害されて正常な神経細胞の興奮の伝導が行われず、麻痺やしびれ、痛みなどを引き起こすものをいいますが、圧迫性ニューロパチーは橈骨(とうこつ)神経や正中神経・腓骨神経などの比較的太い末梢神経で生じやすい傾向にあります。

主な原因としては、腫瘍など体内の他病変によって神経の通り道が圧迫されることや、長時間の正座や腕枕などによって体外から神経が圧迫されることが挙げられます。特に、神経の通り道で解剖学的に狭い部位が何らかの原因でさらに狭くなると発症しやすく、糖尿病や一部の薬物により発症のリスクが上昇するとされています。

原因

圧迫性ニューロパチーは、末梢神経に慢性的な圧迫が生じることが原因です。慢性的な圧迫には、腫瘍や炎症によるむくみなどのように、体内から直接神経や神経が通る管を圧迫する場合と、長時間にわたる正座や腕枕などによって体外から物理的に神経に圧迫を与える場合があります。

末梢神経は種々の圧迫を受けることで、正常な興奮伝達を行うことができなくなります。慢性的に圧迫が続くとやがて、神経線維の興奮を他の神経細胞に伝えるための軸索が障害を受け、その神経が司っていた運動や感覚に障害が残ることとなります。

圧迫性ニューロパチーで代表的なものには、

  • 手根管(しゅこんかん)症候群
  • 橈骨神経麻痺
  • 尺骨(しゃっこつ)神経管症候群
  • 総腓骨(そうひこつ)神経麻痺

などが挙げられます。しかし、部位によって詳細な原因は異なります。

手根管症候群は、腱鞘炎(けんしょうえん)や手根管付近の腫瘍などが主な原因ですが、中年女性に多発し女性ホルモンの分泌異常が発症に関与していることも示唆されています。橈骨神経麻痺は腕枕、尺骨神経管症候群は手首の骨折や腫瘤、長時間のサイクリングでのサドルなどによる圧迫、総腓骨神経麻痺は足組みが原因となることが有名です。

症状

圧迫を受ける神経のはたらきが障害されることで症状が生じます。障害を受けたのが運動を司る神経である場合は、その部位の運動麻痺が生じ、感覚を司る神経である場合は支配領域に一致したしびれや痛み、感覚の低下などが生じます。

運動麻痺が生じる場合には、障害された神経によって特徴的な症状が現れます。たとえば、手根管症候群では母指球筋の運動が麻痺するため母指を手の平側に曲げることができず「猿手(さるで)」と呼ばれる独特の麻痺が生じます。また、橈骨神経麻痺では手関節を上へ反らすことができなくなり、手が下方に垂れる「下垂手(かすいしゅ)」と呼ばれる麻痺が生じます。

このような運動障害が長期にわたるケースでは、麻痺した筋肉が衰えて外見上からも筋肉の萎縮(いしゅく)が分かるようになり、手や足の形に左右差が現れることも少なくありません。

検査・診断

麻痺や感覚障害が生じている場合には、その症状をよく診察すればどの神経にダメージがあるのかを予測することが可能です。

身体診察によって予測された神経障害を調べるため、対象の神経を電気で刺激して神経伝達速度を評価する神経伝導速度検査や、対象の筋肉を針で刺して電気の波を見る筋電図検査が行われます。また、体内の他病変による圧迫の有無を評価するためにCT検査やMRI検査などの画像検査が行われることもあります。

腫瘍病変が発見された場合には、針を刺して腫瘍組織の一部を採取し、病理検査を行うことによりどのような性質の腫瘍なのかを調べることがあります。

治療

軽度のしびれや感覚異常のみの場合には、安静によって回復することがほとんどです。しかし、手根管・肘部管その他慢性圧迫性Neuropathyでは、少しでも運動障害(動きの悪さ・筋力が弱るなど)があれば早期手術が必要です。また、正座による腓骨神経麻痺・腕枕による撓骨神経麻痺などは自然回復が期待できます。発症の原因等にて対処法は異なりますので専門医への受診が望ましいです。

さらに、腫瘍や腫瘤などによって神経が圧迫されている場合には、それを取り除く手術が行われます。また、手根管症候群や尺骨神経管症候群のように、神経が通る部位が狭くなって神経を圧迫している場合には、その部位を切り開いて圧迫を解除する治療が行われることも少なくありません。

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