原因
大動脈弁輪拡張症の原因は、何らかの要因で大動脈が異常に拡張することです。大動脈が広がると、大動脈弁輪も同様に拡張します。
その要因の1つとして、マルファン症候群が挙げられます。これは遺伝子の異常によって結合組織に障害が生じる先天性疾患で、全身の結合組織がもろいため、心臓や血管、筋肉、骨、目など多くの器官や組織に影響を及ぼします。マルファン症候群の患者では、大動脈基部が拡張しやすく、その結果として大動脈弁輪拡張症が引き起こされることがあります。
また、エーラス・ダンロス症候群などのほかの結合組織疾患も、大動脈弁輪拡張症の原因となることがあります。
さらに、高血圧症、動脈硬化、加齢なども大動脈弁輪拡張症の発症に関与していると考えられています。高血圧症は大動脈に持続的な圧力をかけるため、長期間にわたり大動脈の拡張や損傷を引き起こす可能性があります。同様に、動脈硬化も大動脈の硬化や肥厚を招き、柔軟性を損ない、拡張を促進します。また、加齢により大動脈の弾力性が失われることで、拡張しやすくなることもあります。
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