かんれいじんましん

寒冷蕁麻疹

最終更新日:
2018年12月28日
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2018/12/28
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概要

寒冷蕁麻疹とは、身体が低温の外気や物体に晒されることで生じる蕁麻疹です。蕁麻疹は、皮膚の肥満細胞に何らかの刺激が加わることで、皮膚の組織内にヒスタミンという物質が放出されることによって引き起こされる皮疹のことです。ヒスタミンは、皮膚の微小血管と神経に作用して血管を拡張させ、血管内の血漿(けっしょう)成分を漏れ出す作用があります。その結果、ヒスタミンが分泌された部位に、紅斑や膨疹(ふくらみのある皮疹)、かゆみが生じるのです。 

寒冷蕁麻疹は機械性蕁麻疹の一種であり、身体の一部に寒冷刺激が加わることでその部位のみにヒスタミンが分泌されて蕁麻疹が生じる「局所性」と、全身が冷却されることで全身に蕁麻疹が生じる「全身性」があります。

寒冷刺激を受けてから蕁麻疹の発症までは数分~十数分以内ですが、症状は2時間以内で治まり、皮膚に痕を残すことはありません。蕁麻疹の中には、症状が長く持続するものもありますが、寒冷蕁麻疹は数か月から数年で完治することがほとんどであるとされています。

原因

寒冷蕁麻疹は、皮膚に冷却刺激が加わることによって発症します。蕁麻疹は、皮膚の肥満細胞が刺激を受けてヒスタミンを分泌し、血管の拡張や透過性の亢進を促すことによって生じる皮疹のことです。蕁麻疹の原因となる刺激には、食物やハウスダスト、花粉、金属などさまざまなものが挙げられます。蕁麻疹の原因を完全に特定することは困難なケースが多いですが、寒冷蕁麻疹は皮膚に対する冷却が物理的な刺激となって肥満細胞を活性化させると考えられています。

また、蕁麻疹の発症は、がんやリウマチなどの自己免疫疾患、感染症、ストレスなどによって引き起こされるケースもあります。寒冷蕁麻疹も例外ではなく、特に中高年になって突然寒冷蕁麻疹を発症したような場合、蕁麻疹の増悪因子である病気が潜んでいる可能性も考えられます。

症状

寒冷蕁麻疹には、体の一部のみに冷却刺激が加わってその部位のみに蕁麻疹が生じる「局所性」と、全身が冷えることで蕁麻疹が全身に生じる「全身性」があります。

どちらも、刺激が加わってから数分~十数分で蕁麻疹が現れます。蕁麻疹は、境界が明瞭な円~楕円形、地図状のわずかに隆起した皮疹(膨疹)と紅斑を生じますが、寒冷蕁麻疹は、小豆大前後の大きさの膨疹が広がるのが特徴です。また、強いかゆみを伴いますが、多くは2時間以内にあとを残さずに治ります。

検査・診断

寒冷蕁麻疹の診断には、発症時の状況など詳細な問診が必要となります。また、実際に、氷枕などを皮膚の一部に充て、蕁麻疹が生じるか調べる誘発検査が行われることも少なくありません。

また、冷却刺激以外にも蕁麻疹を引き起こす原因がないかを評価するために、血液検査によって種々にアレルゲンに対する抗体価を調べる検査が行われることもあります。さらに、中高年で寒冷蕁麻疹を発症したケースでは、がんやリウマチ、肝炎などが潜んでいる可能性もあるため、疑わしい場合は画像検査など種々の検査を行って増悪要因となる病気の存在を否定することも少なくありません。

治療

寒冷蕁麻疹には抗ヒスタミン薬の使用が非常に有効です。抗ヒスタミン薬の内服を続けることで、発症を予防することが可能であり、最終的には薬剤を使用しないでも発症しない状態を目指します。また、蕁麻疹を発症した場合には、抗ヒスタミン薬入りの軟膏やクリームの塗布が行われることもあります。

さらに、日常生活上では、なるべく冷却刺激を受けないように心がけ、冬は外出時にマフラーや手袋、マスクなどを着用して皮膚を保温するような服装にするとよいでしょう。

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