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小児尿路結石

監修:

治療

尿路結石の治療としては、痛みへの対処を行いながら結石の自然な排出を促す保存的な治療、または結石を壊して取り除く積極的な治療(手術など)が行われます。腎臓や尿路の異常、代謝異常などが背景にある場合には、その治療も併せて行われます

保存的な治療

小児尿路結石では、原因となる病気などがなく、症状の経過が良好な場合には保存的な治療を選択することが望ましいとされています。また、小児は成人に比べて尿管が柔軟なため、結石が自然に排出される割合も高いといわれています。

保存的な治療では、鎮痛薬などにより痛みの症状を緩和させながら、水分を多く摂取することで結石の排出を促します。結石が排出されやすくする薬を使用することもあります。

積極的な治療

痛みや嘔吐などの症状が強い場合や、結石が大きい場合、腎臓の状態が悪い場合などには積極的な治療が検討されます。結石を壊す方法はいくつかあり、結石の場所や状態などに合わせて選択されます。

成人の場合は外来での処置が可能な方法でも、小児の場合は入院のうえ全身麻酔が必要になります。また、小児の体格に合わせた医療機器が必要となるため、小児の麻酔管理や尿路結石治療に実績のある施設での実施が望ましいでしょう。

体外衝撃波砕石術(ESWL)

体の外から衝撃波を当てることで、結石を壊す方法です。成人の場合は麻酔の必要はありませんが、小児では全身麻酔のうえ行う必要があります。10mm未満の尿管の結石に対して検討される方法です。

経尿道的腎尿管砕石術(TUL/URS)

尿道から内視鏡を挿入し、結石の状態を観察しながらレーザーで壊す方法です。壊した結石を取り出すことができます。尿道や尿管の入り口の大きさには個人差があり、適切な機器を選択する必要があります。尿管の入り口が狭い場合などには、複数回の手術が必要になることもあります。

経皮的腎尿管砕石術(PNL/PCNL)

背中から腎臓にアクセスして、内視鏡を直接腎臓に挿入し結石を壊す方法です。20mm以上の大きな腎結石などに対して選択されます。経尿道的腎尿管砕石術と同様に、レーザーで結石を壊して取り出すことができます。経尿道的腎尿管砕石術と組み合わせて行うこともあります。

原因となる病気の治療

小児の尿路結石では、生まれつきの腎臓や尿路の異常、代謝の異常などが原因となる場合が多くみられます。その場合は、尿路結石への治療と並行して、原因となる病気や異常への治療も行われます。

たとえば、尿の流れが悪くなることで結石が生じている場合には、尿の流れを改善させるための手術が行われます。なお、水腎症は軽症の場合は自然に治癒することもあるため、腎臓の機能低下などがみられない場合は経過観察を行います。

そのほか、尿路感染が原因となっている場合には、感染に対する治療として抗菌薬が使用されることがあります。

最終更新日:
2025年11月25日
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2025/11/25
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