にょうかんしゅよう

尿管腫瘍

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

尿管腫瘍とは、尿を作る腎臓と尿をためる膀胱をつなぐ管に発生した腫瘍のことです。

尿管の内側は、腎盂(じんう)(腎臓からの尿の出口)や膀胱と同じく、尿路上皮という粘膜で覆われています。尿管腫瘍の大部分はこの尿路上皮から発生しますが、多くが悪性腫瘍(尿管がん)のため腎盂尿管がんというくくりで説明されることが多いです。

腎盂尿管がんの発生頻度は膀胱がんよりも低いといわれています。好発年齢は50〜70歳代で、男性により多く認められます。
 

原因

尿管腫瘍、特に尿管がんになる理由は原因不明です。尿管がんのリスク要因としては喫煙習慣、一部の医薬品の使用、ベンジンや染料など化学物質への曝露(接触機会)などが挙げられます。

ほかにも、尿路結石等に伴う慢性的な細菌感染などが尿管がんのリスク要因となることもあります。また、同じ尿路上皮から発生する腎盂尿管がん膀胱がんには、空間的・時間的に多発する特徴があります。そのため過去に膀胱がんと診断されている方が、のちに尿管がんと診断されることもしばしばあります。
 

症状

尿管腫瘍のもっとも多い症状は、血尿(肉眼的血尿)です。また血液の塊などにより尿管が一時的に詰まることで、脇腹や下腹部に痛みが生じることもあります。尿管が詰まって尿の流れが滞り、腎盂もしくは腎杯(じんぱい)が拡張している状態を「水腎症」と呼びます。

尿管腫瘍は、超音波検査などで水腎症を指摘されたことがきっかけとして疑われることがあります。
 

検査・診断

尿管腫瘍の可能性がある場合、まず尿検査と尿中のがん細胞の有無を調べる尿細胞診検査が行われます。さらに、検査室で膀胱の内視鏡を使いながら、細い管(カテーテル)を腫瘍の近傍もしくは腎側に近くまで進め、そこで採取した尿を検査する選択性尿細胞診を行うこともあります。

CT検査は尿管腫瘍の診断に必須で、特に造影剤を用いたCTウログラフィー検査が有用とされています。造影剤が使用できないなどCT検査の実施が難しい場合には、代わりにMRI検査を実施することもあります。

画像検査によって十分な診断が得られない、もしくは後に述べる腎臓を残す手術を検討したい場合は、内視鏡で腫瘍を直接観察する尿管鏡検査や生検による組織検査も併せて実施します。

尿管がんが疑われる場合、同時に膀胱がんがないかを調べるため膀胱内を観察する膀胱鏡検査を実施するほか、CTなど画像検査で転移を起こしていないか調べます。尿管腫瘍では水腎症を起こしていることもあるため、血液検査を実施して腎機能が低下していないか調べます。
 

治療

尿管腫瘍のなかでも特に尿管がんが疑われる場合、画像検査で転移を認めなければ、通常は手術をが勧められます。がんがある側の腎臓から尿管をすべて取り除く手術(腎尿管全摘除)が標準的な手術方法ですが、もともと腎臓機能が悪い方に対しては腎臓を残す手術(尿管鏡による手術、もしくは尿管の部分的な切除)が検討されることもあります。

尿管がんと診断され、かつ画像検査にて転移が疑われる場合には、通常は抗がん剤を用いた治療が勧められます。
 

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