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じんうにょうかんがん

腎盂尿管がん

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

腎臓で産生された尿は腎盂に排泄され、尿管を通り膀胱へ溜まりますが、いずれも尿路上皮という粘膜に覆われています。これら腎盂、尿管の粘膜から発生した癌が腎盂尿管癌で、そのほとんどは病理学的に膀胱癌と同様であり、尿路上皮癌といわれます。

尿路上皮癌のうち腎盂尿管癌は約5%であり、膀胱癌に比較してまれです。また、腎盂癌の発生頻度は尿管癌の4倍程度です。腎盂尿管癌による死亡者数は年間約3000人(2010年)で、増加傾向にあります。

原因

腎盂尿管癌とは、腎盂、尿管を覆う尿路上皮という粘膜から発生した癌です。多くの他の癌と同様に明らかな原因わかっていません。

しかし、病気の発症に関与していると考えられる危険因子といわれるものがいくつかあります。喫煙、医薬品(シクロフォスファミド、フェナセチン )の長期使用、一部の漢方薬 、尿路結石や尿路閉塞に伴う慢性細菌感染等が危険因子として挙げられています。

症状

腎盂尿管癌では、早期の段階では症状がみられないこともあります。その場合には、超音波、CT等で偶然見つかる場合があります。

自覚症状が現れる場合には、血尿や尿路閉塞に伴う水腎症(腎盂の拡張)がみられます。水腎症を発症した場合には、それに伴う背部痛や腎盂腎炎とよばれる細菌感染症による症状が自覚症状として現れることがあります。

検査・診断

腹部超音波(エコー)

水腎症の有無や、腎盂内の腫瘍の有無を確認することができます。体に対する負担のない検査です。

尿細胞診

尿中に癌細胞が混じっていないかを調べる検査です。性であっても癌は否定できませんが、陽性であれば尿路上皮癌がある可能性は極めて高くなります。

膀胱鏡

血尿の原因となる悪性疾患としては膀胱癌の頻度が高いため、膀胱鏡で膀胱癌の有無を確認します。この検査で膀胱に異常がない場合は、尿管、腎盂の病変を疑い、下記の検査を行います。逆に腎盂、尿管に癌があることが明らかな場合でも、約3割の確率で膀胱癌も併発することが知られているため、 膀胱鏡の検査は必ず行われます。

造影CT

腎機能に問題がない場合には造影剤を注射して、CTを撮ります。尿に造影剤が排泄されるときに、腫瘍の部分が欠損像として確認されます。また、腫瘍の血流や、周囲への広がり、リンパ節の転移等も評価できます。

逆行性腎盂尿管造影

通常外来のレントゲン室で局所麻酔下に行う検査です。膀胱鏡を用いて、尿管口(尿管の膀胱への開口部)からカテーテルを挿入し、病変部の尿を採取して細胞診の検査を行うとともに、造影剤を投与し、腫瘍の性状を確認します。

尿管鏡検査

ここまでの検査で診断がつかない場合には、入院して麻酔下に尿管鏡検査を行う場合があります。この検査では直接腫瘍を見て確認でき、組織生検ができる点がメリットですが、それでも診断確定に至らない場合もあるため、尿管鏡検査を行わず、治療を開始する場合もあります。

胸部CT、骨シンチグラフィ、MRI等

癌の診断がついた場合、治療方針の決定のためには病期診断を行う必要があります。腫瘍が筋層に達していない場合Stage I、筋層に達する場合Stage II、筋層を超える場合Stage III、転移がある場合Stage IVに分類します。

肺や骨への転移を確認するために胸部CT、骨シンチグラフィが、局所の広がりを確認するためにMRIなどが追加で行われる場合があります。

治療

外科的切除

腎尿管全摘術

Stage I~IIIでは外科的切除が行われます。残存した尿管に再発しやすいため、腎臓から尿管、尿管口までひと塊に切除する腎尿管全摘術が標準治療です。

尿管部分切除

腎臓がひとつしかない場合には、腎尿管全摘術を行うと人工透析が必要になります。このような場合、腫瘍の部分のみを切除する方法をとることがあります。

内視鏡的切除術

尿管鏡、レーザー機器の発達により、腎盂尿管癌であっても浸潤のない癌である場合には内視鏡的切除術が行われることがあります。

薬物治療

抗癌剤

Stage IVである場合や、手術後にStage IIIであった場合、リンパ節転移があった場合、手術後に再発した場合などに行われます。ゲムシタビンとシスプラチンを用いた治療(GC療法 )が標準治療です。

BCG

尿路上皮癌に対してBCG(弱毒化ウシ型結核菌)が有効なことが知られており、膀胱癌では標準治療として行われています。腎盂尿管癌でも、外科的切除が困難な場合(高齢である、合併症や腎機能障害がある場合など)に行われる場合があります。

放射線治療

高齢者や、全身状態不良で手術の適応にならない方、手術を望まない方では放射線治療が選択される場合があります。ただし、放射線治療単独での治療成績の報告はなく 、標準治療ではありません。ただし、痛みに対する症状緩和のために放射線療法が行われることはあります。

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