かんとんじかく

嵌頓痔核

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

嵌頓痔核とは、今まで徐々に進行していた内痔核(いぼ)が歯状線(直腸と肛門の境目)を越えて肛門外に脱出してしまい、さらに、肛門括約筋による絞扼が加わることで内側に戻らなくなって血栓を生じる疾患です。急激なむくみや激しい痛みが現れます。

緊急手術となることは多くありませんが、長引けば組織の壊死や感染などを合併する恐れもあります。激しい痛みを緩和させるためにも早めに病院を受診する必要があります。

原因

徐々に成長した内痔核が肛門外に脱出した際、肛門括約筋で締め付けられるなどの何らかの誘引で血流の障害を生じ、核内部に血栓が生じます。血栓が生じることで血流のうっ滞はさらに悪化し悪循環となり、脱出した内痔核は大きく腫れ上がります。

一部が炎症をおこすと次々と近くの組織にも炎症が波及し病変が広がって、最終的には肛門全周に血栓と浮腫が生じ、激しい痛みも生じます。また血流の障害により組織が壊死を起こしたり潰瘍を形成することもあります。

嵌頓痔核は女性よりも男性に多い疾患で、男性の方が強大な括約筋を持っているという解剖学的な理由が考えられています。

症状

まず内痔核が肛門外に脱出するため、しこりのような硬いものが触れます。脱出した内痔核は親指から子どものこぶし大くらいまで大きくなることがあります。

放っておくと腫れはますますひどくなり椅子に座れなくなったり、激しい痛みが生じたりします。核は腫れ上がり、ボタボタとたれるような出血、または下着に付着する程度の出血も高頻度でみられます。

痛みが激しくない場合は瘙痒感を自覚することもあります。

検査・診断

視診にて脱出した内痔核の確認、大きさ、出血や壊死の有無を判断します。嵌頓痔核では痛みが強く全周性に腫れ上がっているため、多くの場合で肛門鏡などの検査は不可能です。

鑑別が必要な疾患として、血栓性外痔核があります。こちらは元々肛門の外側にできた外痔核に血栓などが生じ腫れたものですが、嵌頓痔核に比べて大きさが小さいことが特徴です。

治療

まずは可能な範囲内で脱出した内痔核を肛門内へ戻し、温浴などで肛門部を温めるなどして清潔に保ちます。座薬や軟膏、消炎鎮痛薬の内服などで保存的治療をすることで通常1週間程度で痛みは軽快します 。急性期の症状が改善してから再度症状の評価をして、外科的切除の適応を考えます。

手術の場合1週間程度の入院が必要になり、さらに、手術後に傷が治るまで1か月以上かかります。

保存的治療を行う前に、即刻手術を行うかどうかについて、これまで議論されてきましたが、このように、手術では治癒までに長期間要することなどから、現時点では保存的治療を第一選択とすることがガイドラインでも推奨されています。

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