原因
心タンポナーデは、心臓と心膜とのすき間(心膜内)に血液などの体液、あるいは気体が過剰に溜まることで発症します。この状態により、心臓が強く締め付けられると、心臓の正常な拡張が妨げられ、血液を心臓に充満させることが難しくなります。その結果、心臓から全身への血液供給量が減少し、臓器などの組織が酸素不足に陥ります。加えて、心筋への血流も低下することで、心停止に至る場合があります。
原因となる主な病気として、解離性大動脈瘤、急性心筋梗塞などが挙げられます。これらの病気では、大動脈壁(大動脈の壁)の損傷や心臓の破裂により心膜内に血液が流入し、心タンポナーデを引き起こします。また、急性心外膜炎や悪性腫瘍などの病気でも同様の状態が生じることがあります。
心タンポナーデは外傷や心臓手術後、不整脈に対するカテーテルアブレーション術などの合併症として発症することもあります。外傷性では、特に胸部や背部への鋭的外傷(ナイフなどによる刺傷)が主な原因となり、単純な打撲よりも発症リスクが高いとされています。
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