原因
胎児期、左右の心房を隔てる心房中隔には、卵円孔と呼ばれる生理的な穴が存在しています。胎児は胎盤を介して酸素を取り入れるため、肺で酸素を取り入れる必要がありません。そのため、胎児の右心房に返ってきた血液は肺へ流れることは少なく、卵円孔を介して左心房へと移動します。
出生後、赤ちゃんは自分自身の肺で酸素を取り込まなければならなくなるため、右心房に帰ってきた血液が肺に流れるようになり、卵円孔は不要になります。そのため生後、卵円孔は自然閉鎖します。
心房中隔欠損の多くは卵円孔の部位に認めますが、タイプによって穴が生じる場所は異なります。それぞれのタイプに応じて、症状の現れ方や自然閉鎖するかどうかの傾向、治療法も異なってきます。
原因として特定の遺伝子異常は分かっておらず、複数の遺伝的要因や環境的要因が考えらえています。また染色体異常や胎児期における風疹による感染、母体のアルコールの過剰摂取なども心房中隔欠損症の発症に関与するリスク因子であると考えられています。
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