きゅうせいもうまくえし

急性網膜壊死

同義語
桐沢型ぶどう膜炎
最終更新日:
2024年08月13日
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2024/08/13
更新しました
2017/04/25
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概要

急性網膜壊死とは、単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスの眼内感染によって網膜剥離(もうまくはくり)や視神経萎縮を引き起こし、失明に至る可能性がある病気です。

1971年に日本で初めて“桐沢型ぶどう膜炎”として発見されましたが、後に欧米でも同じ病気が報告され、現在は急性網膜壊死という名称で呼ばれています。

急性網膜壊死はぶどう膜炎(眼内に炎症を起こす病気の総称)の1つです。2016年に日本の大学病院の眼科を対象として実施されたぶどう膜炎疫学調査によると、急性網膜壊死の割合はぶどう膜炎の患者全体の1.7%とされています。発病者は男性に多く、単純ヘルペスウイルスへの感染は20~50歳、水痘・帯状疱疹ウイルスへの感染は40~60歳に多いといわれています。

原因

急性網膜壊死の原因は単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスの眼内感染です。

ウイルスが眼内の網膜(光を感じ取り脳へと伝える情報に変えてくれる場所)に感染し、急速に進行して網膜剥離や視神経萎縮を引き起こします。

また、近年になり新たな原因ウイルスとしてヒトアデノウイルスが確認されました。

髄膜炎(ずいまくえん)単純ヘルペス脳炎に合併して発症することもあるほか、単純ヘルペス脳炎が治った後しばらくしてから発症する場合もあります。

症状

多くは片側の目に発症し、充血や眼痛、飛蚊症(糸くずや虫のようなものが浮遊して見える状態)、霧視(目のかすみ)、視力低下などの症状がみられ、網膜動脈炎と網膜周辺部に黄白色滲出斑(おうはくしょくしんしゅつはん)が出現します。

黄白色滲出斑は発症から約1週間で網膜のほぼ全周に広がり、さらに数か月で黄白色滲出斑の部位は壊死病巣となります。壊死病巣に網膜裂孔が形成されると、網膜剥離が生じ失明に至ることがあるほか、網膜血管閉塞や視神経萎縮などの重篤な合併症が生じることもあります。なかでも網膜剥離は高い割合で合併します。また、発症時は片目であっても、治療をしないまま病気が進行するともう一方の目にも発症することがあります。

検査・診断

眼底検査をはじめとした眼科検査を行います。網膜動脈炎や網膜周辺部に黄白色滲出斑が存在するか、硝子体(目の中にあるゼリー状の組織)が混濁しているかなどの特徴的な眼所見の有無を確認します。

眼科検査の結果から急性網膜壊死が強く疑われる場合には、眼内液検査でウイルスの有無や種類を調べます。眼内液検査では前房水(目の中にある液体)または硝子体を採取し、原因ウイルスが陽性となった場合に確定診断となります。

治療

治療では、原因となっているウイルスを明らかにしたうえで、そのウイルスに効果的な抗ウイルス薬が使用されます。抗ウイルス薬であるアシクロビルやバラシクロビルなどを眼内注射、もしくは全身投与します。必要に応じて、抗血小板薬やステロイド薬を内服し、改善を図ります。

合併症がある場合にはその病気に対する治療も行われ、例えば網膜剥離を合併している場合は硝子体手術が行われます。

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