きりさわがたぶどうまくえん

急性網膜壊死

別名
桐沢型ぶどう膜炎
最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

急性網膜壊死は、急性網膜壊死とも呼ばれていた病気で、単純ヘルペスウイルス1型、2型や水痘帯状疱疹ウイルスが目に感染することで生じるぶどう膜炎のことです。

ぶどう膜炎とは、目の構造物のなかでも、光の調節を行う虹彩、目の焦点を調節する毛様体、眼球壁を覆う脈絡膜に炎症が生じる病気のことであり、さまざまな原因があります。急性網膜壊死は、網膜や視神経が分布する眼底にも病変を生じ、失明に至ることもまれではありません。

症状が急速に進行し、予後が悪い病気であるため、早期発見・早期治療が非常に重要となります。

原因

単純ヘルペスウイルス1型、2型、水痘帯状疱疹ウイルスが目の中に感染を起こすことで発症すると考えられています。一般的には、水痘・帯状疱疹ウイルスによるものがもっとも重症化します。

これらのウイルスは、成人であればすでに感染していることが多いですが、感染して治癒した後もウイルスは体の中に残り続け、体の抵抗力が低下した状態においてウイルスが再び活性化します。

急性網膜壊死は、原因ウイルスに初めて感染したときに発症することもありますが、再活性化したウイルスが目にダメージを与えることで発症することもあると考えられています。

症状

急性網膜壊死では、症状が非常に急速に悪化し、視力障害や失明などの重篤な後遺症を残す状態にまで進行するのが特徴です。

発症初期には、虹彩や毛様体に炎症が生じる前部ぶどう膜炎の病態をとり、目の充血や痛み、飛蚊症や視野のぼやけなどの症状が引き起こされます。一般的には、片目にのみ発症しますが、タイムラグを経て反対側の目にも発症することがあります。

その後、数週間のうちに急激に視力が低下し、2~3か月で網膜剥離を引き起こします。網膜剥離は非常に重度であり、ほぼすべての網膜にダメージが加わります。その結果、視力が失われるだけでなく、目の機能が失われ、眼球が徐々に委縮する眼球ろうの状態となることもあます。

検査・診断

急性網膜壊死のほとんどは、その特徴的な目の所見から疑われ、精密検査が行われます。

目の充血や痛み、飛蚊症などの症状で眼科を受診すると、視力検査や眼圧検査、細隙灯顕微鏡検査、眼底検査などの基本的な眼科的検査が行われます。

これら検査により急性網膜壊死が疑われる場合には、原因ウイルスを特定するための検査が行われます。具体的には、目の中の水などを用いた遺伝子検査が行われます。原因ウイルスの特定は治療薬を選択するうえでも重要です。

治療

急性網膜壊死による失明を食い止める治療法は現時点では存在しないため、早期の適切な治療が予後を左右します。

原因ウイルスが特定されると、抗ウイルス薬であるアシクロビルやバラシクロビルの投与が行われます。点滴や眼内への注入により投与されます。また、炎症を抑えるためにステロイドが使用されたり、網膜を栄養する重要な血管の閉塞を防ぐために抗血小板薬が併用されたりします。

合併症として網膜剥離を生じた場合には、網膜剥離を改善するための手術が行われます。また、視力を失い、眼球ろうの状態になった場合には、義眼を挿入する手術が行われることもあります。

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