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はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん

播種性血管内凝固症候群

別名
DIC
最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

播種性血管内凝固症候群(DIC)とは、体の血管の中で血栓(血の塊)ができやすくなったり、容易に出血したりする病気です。「播種性(はしゅせい)」とは全身に広がること、「凝固」とは血液が固まることを意味します。血管の中で凝固が過剰に起きることで、かさぶたのような血の塊(血栓)ができやすい状況になり、出血します。命にかかわる重篤な状況です。

DICは、下記のような状態に合併します。

  • 敗血症と呼ばれる細菌やウイルスなどの体に有害な感染源が血液の中に入り込んで異常に増殖している状態
  • 交通外傷後や心臓などの大手術後
  • 白血病などのがん、
  • 常位胎盤早期剥離などの妊婦に認められる病気(産科DIC)

他にも肝障害や急性膵炎、ショック、熱傷などDICを合併する病気は多岐にわたります。これらによるDICの多くは「急性」と呼ばれ、原因となる病気の発症直後に起きます。ゆっくりと生じる「慢性」型も存在しますが、ここでは急性型に話を絞ってご説明します。

原因

DICは、さまざまな病気 (基礎疾患) が背景となって起こります。基礎疾患の影響で、体中の細い血管で血栓ができることと、壊れることが繰り返されます。どうして血栓ができやすくなってしまうのか、直接の原因はわかっていません。

大量の血栓ができるために血液を固める材料が大量に使用されてしまい、太い血管で出血が起きたときに止血ができなくなってしまいます。また、血栓を破壊しようとするはたらき(線溶(せんよう)系)が非常に強くなっている場合があります。

2016年の日本血栓止血学会の新ガイドラインでは、基礎疾患により「造血障害型」「感染症型」「基本型」に大きく分類され、重症度が判定されます。

症状

血栓が多発することと、簡単に出血することが問題になります。細い血管で血栓ができたり壊れたりすることを繰り返すことで血栓の材料がなくなり、太い血管で出血が起きたときに止血できなくなります。また、肝臓や心臓などには細い血管が張り巡らされており、これらの血液の流れが滞るために臓器障害がおきます。

臓器障害

特に肝臓が障害されることが多いです。腎臓やすい臓など複数の臓器に障害がおき、多臓器不全に陥るなど重篤な状況になりやすいです。自覚症状としては、手や足先が腫れて痛みが出る、胸が痛くなる、呼吸困難になる、などがあります。

出血

大量に血栓が作られてしまうため、血液の中でも止血に関わる血小板が減ります。そのため、皮膚や脳、肺などから簡単に出血します。また、血液がサラサラになっており止血は困難です。自覚症状としては、意識が遠のく、ぶつけていないのに皮膚にあざができるなどがあります。いずれの症状も重篤であり、ときに命を脅かすことがあります。

検査・診断

血液検査

血小板や血液の凝固に関わるタンパク質が減少していないかチェックします。また、肝臓や腎臓といった内臓に障害がないか調べます。

骨髄検査

DICの原因となる病気が不明で、白血病など血液のがんが疑われた場合に行われます。血液を作る工場である骨の中の骨髄をほんの一部とります。うつ伏せの姿勢で、局所麻酔を行い腰の骨に針をさします。こうして採取された細胞を顕微鏡により詳細に観察します。きちんと血液細胞を作っているか、悪性の細胞がいないかどうかをチェックします。

超音波検査

お腹の中にある肝臓や腎臓、膵臓を調べます。また、お腹の中の出血の有無を調べることもできます。体にかかる負担が小さい検査です。

治療

基本的には重症であることから、入院のうえ緊急で治療を行います。早期にDICを発見し早期に治療を行うことが非常に重要です。DICの原因となっている基礎疾患の治療を優先します。これらに並行して、DIC特有の病状に対する治療を行います。

基礎疾患に対する治療

感染症がDICの原因となっている場合、抗生物質や抗真菌薬、抗ウイルス薬で治療を行います。白血病やリンパ腫などのがんが原因であれば抗がん剤やステロイドなどによる治療を、常位胎盤早期剥離による産科DICであれば緊急帝王切開などの分娩治療を行います。

DICに対する治療

抗凝固療法・抗線溶療法や、合成プロテアーゼインヒビター、遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤を用いた治療など多岐にわたります。血液をサラサラにする薬を投与することでこれ以上血栓ができないようにします。また、大量に血栓ができてしまった結果、止血にはたらくタンパク質が不足しているため、それらを補充します。

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