症状
橈骨遠位端骨折が発生すると、骨折部位に強い痛みが生じ、短時間のうちに腫れや発赤が現れます。手首の関節が正常に機能しなくなるため、手関節の動きが制限され、力を入れることが困難になります。
骨折の種類によっては、手首の形が変わることがあります。最も一般的な「コレス骨折」は、手のひらをついて転んだときに起こりやすく、骨が手の甲側にずれるため、手を横から見るとフォークを伏せたような形になります。「スミス骨折」は逆に、手の甲をついて転んだときに起こりやすく、骨が手のひら側にずれます。
場合によっては、骨折や腫れによって手首付近を走行する神経が圧迫されることがあります。特に正中神経が影響を受けて手根管症候群を発症すると、親指から薬指にかけての感覚低下やしびれ、さらには親指の運動障害が生じることがあります。
合併症
まれではありますが、“複合性局所疼痛症候群(CRPS)”という障害が続発することがあります。CRPSは通常の骨折痛とは異なり、非常に激しい痛みが特徴で、関節の硬直や骨の萎縮などの後遺症を伴う可能性があります。この状態は治療が難しく、長期的な管理が必要となることもあります。
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