ししゅうえん

歯周炎

最終更新日:
2024年11月15日
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2024/11/15
更新しました
2017/04/25
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概要

歯周炎とは、歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)に歯周病菌が侵入したことで炎症が起きた状態です。炎症が歯茎(歯肉)にとどまっている場合は歯肉炎といい、それ以上進行したものを歯周炎といいます。

歯垢(しこう)(デンタルプラーク)という細菌の塊が取り除かれずに放置されると、デンタルプラーク中に存在する歯周病菌が歯周ポケットで繁殖し、炎症を引き起こして歯肉が腫れます。炎症が広がると、歯を支える歯槽骨が溶けて歯がぐらつき、重症化すると歯が抜け落ちることもあります。

歯周炎を予防するためには、正しい歯磨きによりデンタルプラークを蓄積しないようにすることと、歯科医院での専門的なクリーニングを定期的に受けることが大切です。

原因

歯周炎の原因には歯周病菌と呼ばれる細菌が関わっています。

歯磨きが十分にできておらず歯周ポケットにデンタルプラークが蓄積すると、その中に含まれる歯周病菌がさらに繁殖します。歯周病菌は毒素を作りだし、歯肉の腫れや出血を伴う炎症を引き起こします。この状態が進行すると、炎症が悪化して歯周ポケットが深くなり、歯周病菌の繁殖はさらに進むことになります。歯周病菌は炎症を引き起こすだけでなく、唾液中の成分と結合して歯石(しせき)を形成し、歯の表面に付着します。歯石ができると歯周病菌はさらに歯周ポケットの奥へと移行し、炎症が重症化して歯を支える歯槽骨を溶かします。

歯周炎を進行させる因子には、以下のようなものもあります。

  • 喫煙
  • 糖尿病
  • 歯ぎしりや食いしばりなどの習癖
  • 不規則な食習慣
  • ストレス
  • 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)やホルモン異常などの全身疾患
  • 噛み合わせの影響
  • 口呼吸
  • 免疫抑制薬の使用
  • 義歯や冠(クラウン)の不適合
  • 抗てんかん薬や降圧薬などの長期内服

症状

はじめは自覚症状がなく、次第に歯肉に炎症が生じ歯肉炎となります。進行すると歯磨きの際に出血しやすくなるほか、歯周ポケットが深くなり、食べかすが詰まりやすくなったり、歯肉が下がって歯が長く見えたりすることもあります。さらに進行し歯槽骨が溶けて歯を支えられなくなると、歯がぐらつくようになり、最終的に抜け落ちることがあります。

また、歯周炎は口腔(こうくう)内だけでなく、全身への影響も懸念されます。歯周ポケットで繁殖した歯周病菌や歯周病菌の出す毒素が血流に乗って心臓に運ばれることで、細菌性心内膜炎などの病気を引き起こす可能性があるほか、糖尿病の悪化や、食べ物と一緒に誤嚥(ごえん)することで誤嚥性肺炎を発症し重症化につながる恐れがあります。

検査・診断

歯周炎の診断は、デンタルプラークの付着状況を調べる検査や歯周ポケットの深さと出血を調べるプロービング検査、歯槽骨の状態を調べるX線検査などにより行われます。

このほか、症状に応じて歯周病菌について調べる細菌検査や歯の揺れの程度を調べる検査などが行われます。

治療

進行の程度にかかわらず、まずはデンタルプラークや歯石を取り除く歯周基本治療を行います。歯周基本治療を行っても改善が期待できない場合には、歯肉を切開して汚れを除去する歯周外科治療が行われます。

これらの治療により、歯肉の炎症や歯周ポケットの深さが改善されれば、定期的なメンテナンスに以降します。

歯周基本治療

デンタルプラークを減らすためには自宅での歯ブラシやデンタルフロスによるセルフケアが重要となるためブラッシング指導が行われます。セルフケアだけでは落ちないデンタルプラークや歯石は歯科医院で機械を用いて綺麗にします。

そのほか、歯周病菌を付着しづらくするために歯根の表面を滑らかにする治療や、歯がぐらついている場合には噛み合わせの調整なども行われます。

歯周外科治療

病態や症状に合わせ、歯肉を切開して歯根に付着している歯石や炎症を起こしている組織を取り除き、失われた歯周組織を再生させる治療などを行います。

予防

歯周炎の予防は、デンタルプラークを蓄積させないことが重要です。適切な方法での口腔ケアを習慣にし、歯の表面だけでなく歯周ポケットを清潔に保ちましょう。

すでに歯石ができてしまっている場合には、歯石を取り除き、炎症を引き起こす細菌を除去する必要があります。歯石の除去は家庭では行えないため、歯科医院での定期的なクリーニングを行いましょう。

歯肉が腫れている、歯磨きの際に頻繁に出血する、口臭が気になるなどの症状がある場合は歯周炎の可能性があるため、早めに歯科医院を受診しましょう。

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