ししゅうのうよう

歯周膿瘍

最終更新日:
2024年07月10日
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2024/07/10
更新しました
2017/04/25
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概要

歯周膿瘍とは、深い歯周ポケット*の中で病原細菌の感染が生じて、歯周組織の内部に(うみ)がたまった状態(膿瘍(のうよう))です。何らかの理由で歯周ポケットの開口部が塞がり、排膿がされずに局所的に膿がたまることで起こります。発症するとその部位に赤みや腫れ、痛みを生じ、場合によっては病変が広範囲に及び、顎の下にあるリンパ節に腫れが生じることもあります。歯周膿瘍は激しい痛みを伴うことが多いほか、急激に歯周組織の破壊が起こることもあるため、早急な処置が必要です。

*歯周ポケット:歯と歯肉の間の溝(歯肉溝)のこと。歯垢(プラーク)の細菌により歯肉に炎症が起こることで深くなる。

原因

歯周膿瘍は、歯周ポケット内で病原細菌の感染が起こることで化し、何らかの理由で歯周ポケットの開口部が塞がるか、歯周ポケットから排膿されずに、歯周組織の内部に膿がたまった状態です。感染に対する抵抗性が弱まる全身疾患、たとえば糖尿病などを持つ人で生じやすくなります。

症状

性の炎症によって歯肉の発赤や痛みがみられ、膿がたまることで歯肉が腫れます。痛みは、何もしなくても、あるいは何かを噛んだとき、歯肉を押したときなどに感じます。時に、歯がぐらついたり、膿瘍から膿が排出されたりする場合もあります。病変が広がると顎下リンパ節が腫れ、進行すると発熱や体のだるさなど全身症状が現れることもあります。

検査・診断

歯周膿瘍の診断は、症状などの問診、視診、X線検査などによって行われます。X線画像では、瘍の原因歯の周囲で骨の吸収を認めることがあります。

治療

歯周膿瘍の治療方法には、ドレナージによる排、抗菌薬の投与、歯周病治療、原因歯の抜歯があります。

ドレナージによる排膿

抜歯が適応となる場合を除き、歯周膿瘍では排膿処置が第一選択となります。膿瘍が生じている部位の歯肉粘膜を切開して膿を排出するほか、歯周ポケット内の洗浄を行います。

抗菌薬の投与

歯周膿瘍からの排膿が難しい場合は、ミノサイクリン塩酸塩を含んだ軟膏を歯周ポケット内に注入することもあります。

また、十分な排膿経路が確保できず、広範囲が腫れていたり、発熱などの全身症状を伴ったりしている場合には、抗菌薬の全身投与が行われます。全身投与で使用される抗菌薬としては、ペニシリン系、リンコマイシン系、マクロライド系などがあります。

歯周病治療

ドレナージによる排膿や抗菌薬による治療は膿瘍に対して行われる処置で、再発を予防するためには原因を除去することが必要です。そのため、歯周ポケット内の歯石の除去(スケーリング)や歯根の研磨(ルートプレーニング)など、必要に応じて歯周外科療法を行うことが検討されます。

抜歯

歯周膿瘍では、発症した歯の歯周組織の破壊が急激に進むことがあり、そのような場合は抜歯が必要となります。

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