インタビュー

「子どもがけいれんした」「白目をむいた」「ガクガクしている」「ひきつけを起こした」「震えが止まらない」―こんなときの対処、緊急処置は?

「子どもがけいれんした」「白目をむいた」「ガクガクしている」「ひきつけを起こした」「震えが止まらない」―こんなときの対処、緊急処置は?
後藤 知英 先生

神奈川県立こども医療センター 神経内科科長

後藤 知英 先生

この記事の最終更新は2016年12月01日です。

子どもがけいれんしたとき、すぐ救急車を呼ぶべきか、後遺症が残らないかなど、親御さんは不安になることが多いでしょう。今回の記事では、子どもがけいれんしたときによくある質問についてお答えします。引き続き、神奈川県立こども医療センター 神経内科科長の後藤知英先生にご回答していただきました。

けいれんの大部分は5分以内に治まりますので、けいれんがすぐに治まるならば慌てて救急車を呼ぶ必要はありません。

ただし、けいれんの原因はしっかりと確認するべきですから、病院を受診して医師に相談しましょう。

とはいえ、初めて子どもがけいれんを起こしたときは親御さんも動揺し、対応できなくなってしまうはずです。そのような場合は救急車を呼んでも構いません。

しかし、けいれん重積(詳細は記事1「子どもがけいれん、ひきつけを起こしたらどう対応する?救急車は呼ぶべき?」)に進行した場合など、けいれんが長時間になるほど脳に後遺症が残る可能性が高まります。けいれんが長引きそうな場合は医療機関でけいれんを止める必要があります。

一部の熱性けいれんにはてんかんが隠れていることもありますが、この場合も対応は通常、熱性けいれんと同じです。

熱がない状態でけいれんを起こす場合は、てんかんの可能性を考える必要があるため医師に相談しましょう。

初めて熱性けいれんを起こした年齢が1歳未満であった子どもは、熱性けいれんを生涯に2回以上繰り返す割合が高いといわれています。

しかし、実際に2回目のけいれんが起こるか否かを予測することは困難です。子どもが熱性けいれんを何度も繰り返すようであれば、医師とともに管理方針を考えていきます。熱のないけいれんを起こした場合は、原因を調べるため検査をします。原因がわかれば、それに合わせてけいれんを繰り返さないための対応を考えます。

親御さんが子どもと同じ部屋に一緒に寝ていれば、万が一子どもが夜中や就寝中にけいれんした場合でもたいてい気づくことができます。

また、けいれんが起こったときの正しい対応を知っていれば、慌てずに対応できます。まずは、冷静に子どもの様子を観察するよう意識しましょう。

 

「こどもの様子がおかしい」と思ったときは、日本小児科学会が運営する「こどもの救急(ONLINEQQ)」も参考にしてみてください。

 

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