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インタビュー

子どもがけいれんしたときの注意点と対処法まとめ―薬は飲ませても大丈夫?

子どもがけいれんしたときの注意点と対処法まとめ―薬は飲ませても大丈夫?
後藤 知英 先生

神奈川県立こども医療センター 神経内科科長

後藤 知英 先生

子どもが初めてけいれんを起こした場合、特に注意すべき点を知っておくことで、冷静な対応が可能となります。ここでは、子どもがけいれんを起こしたとき「まずどうすればよいか」「何に注意するか」「薬は飲ませてよいか」など、具体的な対処法をご説明します。神奈川県立こども医療センター神経内科科長の後藤知英先生にお話しいただきました。

車がよく通る道路など危険な場所で子どもがけいれんを起こしたときは、まず安全な場所に移動させます。また、浴室内でけいれんした場合は溺れる危険があるので、可能であれば直ちに浴槽から外に出します。子どもの体格が大きい場合は風呂栓を抜いてしまいましょう。

障害物のない平坦な場所に子どもを寝かせます。けいれんに伴って嘔吐することがあるので、嘔吐物や唾液が気道に入らないよう、体勢は横向きにします。

服装が窮屈な場合は、呼吸が楽になるようシャツのボタンやベルトなどを緩めて楽に呼吸ができるよう調整してください。

記事1『子どもがけいれん、ひきつけを起こしたらどう対応する?救急車は呼ぶべき?』末尾に述べたように、「5分程度」「2~3分」など大まかで構わないので、けいれんが続いていた時間を教えてください。けいれんが5~10分以上続いている場合は薬などで止める必要があります。

下記のポイントを意識して、けいれん時の子どもの状態をよく観察してください。

全身左右対称のけいれん、左右対称でないけいれん、体の一部分だけのけいれんなど

意識がはっきりしない、ほとんどない、けいれんが治まってももうろうとしているなど

観察開始から5分経ってもけいれんが治まる様子がなければ救急車を呼んでください。

なお、舌を噛まないように割りばしやタオルなどをくわえさせると口の中を傷つけたり、呼吸がしづらくなってしまうので、このような対処は行ってはいけません。

子どもがけいれんを起こしたとき、熱があれば解熱剤が処方されることもあります。また、場合によっては抗けいれん薬(けいれん止め)の使用をすることもあります。

発熱時のけいれんの場合、原因の多くは熱性けいれんです。しかし、解熱剤を使用しても、熱性けいれん自体の予防は難しいとされています。

発熱時に解熱剤を使うと、一旦解熱して再び熱が上がるときにけいれんが起こることがあるので、解熱剤は使用しないほうがいいという意見もあります。しかし、実際にけいれんが増えるというデータははっきりとはありません。

解熱剤で熱が下がれば、熱によるつらさは和らぎますが、水分や食事がきちんと摂れていれば無理に解熱剤を使う必要はありません。

私は、体温が38度5分以上あり、なおかつ子どもがぐったりとして辛そうな様子であれば解熱剤を使ってもよいと話しています。また、解熱剤としてはアセトアミノフェンという薬が使用されます。それ以外の解熱剤は、子どもには通常、使わないことになっています。

自宅で使うことができる、けいれんを起こりにくくする薬として、ジアゼパム坐剤があります。後述のように、熱性けいれんの予防や、てんかん発作が出現したときに使用されることがあります。

熱性けいれんに対する抗けいれん薬(ジアゼパムが一般的、日本でよく使用されるのはダイアップ坐薬®)の使用については、2015年の熱性けいれんガイドライン改訂に伴い使い方が変更されました。

以前のガイドライン上には「けいれんの持続時間が15分以上、あるいはそれ以下でも2回目以降のけいれんの場合、発熱時にけいれん予防の坐薬(ジアゼパム)を使う」とされていました。つまり、15分以上の長いけいれんが1回あった場合、あるいはそれよりも短いけいれんでも2回目があった場合、それ以降は発熱時に抗けいれん薬の予防をすることが勧められていました。

これに対して、今回の改訂では「短時間のけいれんであれば基本的に重症化の心配はないため、けいれんを何度か繰り返した場合でも予防投与はしなくてもよい」と変更されています。ただし、けいれんの持続時間が15分以上、または下記6項目のうち2つ以上を満たす場合は投与が推奨されます。

●焦点性発作(部分発作=体の一部分だけのけいれん)または24時間以内に繰り返しおこる

●熱性けいれん出現前から神経学的異常、発達遅滞がある場合

●家族のメンバーに熱性けいれんまたはてんかんの人がいる場合

●年齢が12か月未満

●発熱後1時間未満で発作が出現した場合

●38℃未満での発作

(熱性けいれん 診療ガイドラインより引用、一部改変)

熱性けいれんは薬である程度予防できるものの、完全な予防は不可能です。また抗けいれん薬の使用によって眠気やふらつきなどの副作用が生じるため、以前よりも抗けいれん薬の使用基準は厳しくなっています。子どもに抗けいれん薬を使用した際、親御さんは子どもが眠気やふらつきを起こして転倒したり頭部を打撲したりしないよう注意しましょう。

【ダイアップ坐薬の具体的な使用方法】

  1. 37.5度を目安として、1回坐薬を入れる(1回量は、通常は体重1kgあたり0.4~0.5mgで処方されます)。
  2. 発熱が持続していれば8時間後に同じ量の坐薬を追加する。

最終発作から1〜2年、もしくは4〜5歳までの投与がよいとされていますが、明確な根拠がないのが現状です。

抗ヒスタミン薬またはキサンチン製剤の使用は、熱性けいれんを起こしやすくなったり、けいれんが起こしたときに止まりにくくなったりする可能性があります(勿論、これらの薬を飲むと絶対にけいれんが起こるわけではありません)。

通常、小児には(特に発熱時)投与しないようになってきています。

 

「こどもの様子がおかしい」と思ったときは、日本小児科学会が運営する「こどもの救急(ONLINEQQ)」も参考にしてみてください。

 

【先生方の記事が本になりました】

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