治療
甲状腺クリーゼは迅速な治療と全身管理が必要な疾患です。甲状腺クリーゼが強く疑われて全身状態が重篤な場合、ホルモン測定結果を待たずに治療を開始します。
治療においては、甲状腺ホルモンの合成・分泌の抑制とその作用の軽減、さらに全身の管理と誘因の除去が重要です。具体的には、抗甲状腺薬と無機ヨウ素薬を用いて甲状腺ホルモンの合成と分泌を抑制し、β遮断薬でホルモン作用の減弱をはかります(ただし、β遮断薬は喘息には禁忌であり、心不全の増悪に注意が必要です)。また、集中治療室において呼吸・循環管理や酸素吸入などの全身管理と、適切な輸液・電解質管理を行います。さらに、体温管理のための体の冷却や解熱薬の使用、必要に応じて鎮静薬や抗けいれん薬による中枢神経症状への対応も行います。
また、甲状腺クリーゼでは相対的副腎不全を伴うため、副腎皮質ステロイド薬を投与します。加えて、感染症などの甲状腺クリーゼの誘因となった原因の治療も重要です。
「甲状腺クリーゼ」を登録すると、新着の情報をお知らせします






