がんないいぶつ

眼内異物

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

鉄片、銅、しんちゅう、木片、ガラスなどの異物が角膜や結膜、強膜を穿孔し、眼内に飛入した状態です。異物の大きさと種類(毒性、磁気性、非磁気性など)、飛入部位、異物到達部位によって、視機能に大きな影響が生じることがしばしばあります。鉄や銅は錆びることで強い毒性を示し、植物性異物は感染を生じやすいという性質があります。ガラスやプラスチック、金および銀は化学作用を生じません。

多くの場合は問診により異物を推定することができます。早期に的確な診断を下し、異物の摘出と適切な処置をすることが障害を最小限にくい止める上で重要といえます。

原因

鉄片、銅、しんちゅう、木片、ガラスなどの異物が眼に入り、角膜や結膜、強膜を穿孔します。

症状

角膜や強膜に穿孔創(穴があいた状態)があると、眼痛や視力低下、流涙、眼圧低下などを生じます。虹彩や水晶体に異物があると、眼内の出血、外傷性の白内障などによる視力低下を生じます。眼の奥の網膜に異物があると、硝子体出血網膜剥離(もうまくはくり)などによる視力低下を生じます。まれですが、小さな異物が高速で眼内に飛入すると、ほとんど自覚症状がなく、無症状で経過することもあります。

検査・診断

眼科一般検査

受傷後初診時の視力は予後を推測する上で重要となります。角膜や強膜の穿孔創がある程度の大きさになると眼内液の漏出による低眼圧が起きるため、眼圧測定も診断の一助になります。細隙灯顕微鏡、倒像鏡などにより眼の奥の中心から周辺部までくまなく検査し、眼内の異物を探し出します。自力で目が開かない場合は、点眼による表面麻酔を行った後、開瞼器(かいけんき)で開けて検査することもあります。

画像検査

出血や外傷性白内障などにより眼の中が十分に観察できない場合は、異物の有無や位置を確認する上で画像検査が重要となります。飛入してきた異物が金属の場合、以前はX線検査が行われてきましたが、位置の判定にはCTのほうが優れておりCT検査を行います。X線で検出できないガラスなどの非金属の異物でもCTならば検出が可能です。

その他に、超音波検査は網膜剥離の有無や異物の位置を判断する上で有用です。一方、磁気性の異物が疑われる場合、MRIでは異物の移動や発熱により網膜などを障害する可能性があるため行いませんが、非磁気性であることが明確なときには行うことがあります。

治療

眼球形態を保ち、感染を予防するため、角膜、強膜の傷を縫合し、異物を除去する必要があります。ガラスなど、生体反応の少ない異物の場合は長期間眼内に大きな影響を与えないこともありますが、多くの場合は緊急の手術を必要とします。

鉄片異物の場合、異物から鉄イオンが遊離し、細胞を傷害するため急いで摘出する必要があります。水晶体内に異物がある場合は、鑷子(せっし)(ピンセット)で異物を摘出した後に白内障手術を行う必要があります。ただし、水晶体の袋が破損している場合は硝子体手術(眼の奥の手術)も必要になることが多いです。硝子体内や網膜に異物がある場合は、硝子体手術が必要となります。網膜剥離を合併している場合には同時にその治療も必要になります。

いずれも眼の局所麻酔にて可能な手術ですが、眼球破裂を伴う場合は全身麻酔で行う場合もあります。術後、眼の中の感染症を予防するために、抗生剤の点滴投与や点眼を行います。また術後にも眼圧が上がるなど、さまざまな合併症を起こすことがあるため十分な経過観察が必要です。
 

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