がんないいぶつ

眼内異物

同義語
眼球内異物
最終更新日:
2024年11月25日
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2024/11/25
更新しました
2017/04/25
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概要

眼内異物とは、鉄片などの異物が結膜(白目)や角膜(黒目)を貫通して眼球内に埋まった状態です。異物の大きさや種類、入った部位、異物が到達した部位によって、視機能に大きな影響が生じることがあります。異物として特に注意が必要なのが鉄や銅など毒性の高い金属で、たとえば鉄が眼球に入ったまま適切な処置をしなければ、(さび)が発生して“眼球鉄錆症”という状態になり、失明する可能性があります。

ほかの異物でも、放置すると外傷性白内障網膜剥離、眼内炎などの合併症を引き起こすことがあるため、早期に発見して適切な治療を受けることが重要です。

原因

原因となる異物は、鉄や銅などの金属片、石、ガラス、昆虫、植物など多岐にわたります。特に鉄片が多く、眼内異物の約90%を占めるといわれています。

多くの場合、ドリルやハンマー、ノミといった工具を使用している際に小さな破片が飛ぶことで、異物が眼球の表面にある角膜や結膜から入ります。場合によっては、眼球の一番奥にある網膜にまで異物が到達することもあります。

眼内異物が見つかる部位としてもっとも多いのは硝子体で、次いで網膜、前房、水晶体という報告もあります。異物が眼球の奥に到達するほど視力に影響を及ぼすとされています。

症状

痛みや異物感、涙が出るなどの症状がみられます。また、目が赤くなる、目やまぶたが腫れる、目がかすむ、大幅な視力の低下、そのほか眼内液が漏れることもあります。

しかし、異物が小さい場合などでは自覚症状が乏しく、まれに無症状のまま長期間経過し発見が遅れる場合もあります。

また、異物の種類や異物が到達した部位によっては、外傷性白内障網膜剥離結膜炎、眼内炎などの合併症が現れる場合もあります。

検査・診断

眼内異物の検査では、一般的な眼科検査や画像検査を行います。

眼科一般検査

眼内異物では、主に視力検査のほか眼圧検査、眼底検査、細隙灯顕微鏡検査などが行われます。

眼内液が漏れると眼圧が下がるため、眼圧検査で眼球の内圧を測定します。眼底検査は、眼底の様子を確認する検査です。細隙灯顕微鏡検査は、目に光を当てた状態で拡大鏡を使用し、結膜や角膜などの状態を確認します。眼球に開いた穴や眼内異物の種類などを調べるうえで重要な検査です。

画像検査 

眼球内に飛入した異物の位置を特定するために超音波検査やX線検査、CT検査などの画像診断が行われることがあります。

また、眼内異物では網膜剥離などの合併症がみられるケースが多くあります。出血などで眼底が見えない場合などは、超音波検査を行い網膜剥離がないか確認します。

治療

眼内異物は視力低下や感染などの合併症が生じる可能性があるため、早期に異物を除去する必要があります。一般的には入院して手術で異物を除去します。

手術方法は傷の状態や合併症によって異なります。たとえば異物が水晶体内にある場合、多くはピンセットなどで異物を除去した後に超音波機器で水晶体を砕いて吸引し、人工のレンズを挿入します。異物が網膜にまで達している場合などは、結膜から非常に細い器具を挿入して硝子体を除去(硝子体手術)し、異物を取り除きます。

異物が鉄の場合、放置すると錆が発生し眼球鉄錆症を発症する恐れがあるため、早期に異物と錆の除去を行う必要があります。合併症があれば、その合併症に対する手術も同時に行われます。術後は感染症を予防するために、抗菌薬の点滴投与や点眼を行います。

なお、術後にも眼圧が上がるなどさまざまな合併症を起こすことがあります。そのため、術後も十分な経過観察が必要となります。

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