治療
神経鞘腫の治療方法は発生部位によって異なります。軟部組織に生じた場合と脳神経に生じた場合は以下の対応を行います。
軟部組織に生じた神経鞘腫の場合
ほとんどが良性腫瘍のため、症状がない場合や治療によって重篤な神経障害を生じる可能性がある場合は経過観察をすることもあります。
末梢神経に生じた神経鞘腫の手術
症状があり、手術で摘出可能と判断された場合には手術を行います。手術では、被膜を切り開いて神経線維を残した状態で腫瘍のみを摘出します。
脳神経に生じた神経鞘腫の場合
脳神経に生じた神経鞘腫が大きくなると脳を圧迫する可能性があるため、慎重に治療を検討します。3cm以下であれば経過観察として定期的にMRI検査を行い、腫瘍の大きさが変わらなければ様子を見る場合もあります。
手術治療
一般的に3cm以上であれば手術治療で摘出します。良性腫瘍がほとんどのため、腫瘍をうまく取り除ければ根治が期待できます。
しかし、脳神経外科手術の中でももっとも難しい手術の1つといわれており、脳神経を傷つける可能性があります。手術中に神経機能を監視するモニターを用いて安全性を確認しながら手術を進められる、頭蓋底外科の専門施設での手術が推奨されています。
放射線治療
前庭神経鞘腫では、ガンマナイフなどの放射線治療が検討されることもあります。具体的には腫瘍が3cm以下で治療を行う場合に実施され、再発して悪性化した場合では、手術療法と組み合わせた治療が検討されることもあります。
放射線治療は腫瘍の縮小や成長を抑える効果が期待されるため、特に高齢者や手術後の再発を考慮して行うこともあります。
医師の方へ
「神経鞘腫」を登録すると、新着の情報をお知らせします