きんせいしゃけい

筋性斜頸

最終更新日:
2023年12月27日
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2023/12/27
更新しました
2017/04/25
掲載しました。
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概要

筋性斜頸とは、耳の後ろから鎖骨や胸骨をつなぐ“胸鎖乳突筋”と呼ばれる首の筋肉が拘縮(こうしゅく)することで、首が傾いた状態になる病気のことです。筋性斜頸は出産時のトラブルによって引き起こされると考えられており、多くは生後1か月頃に首の傾きや、しこりによって発見されます。全出産の0.3~0.5%程度に発生するとされており、女児に多い傾向があります。

通常、筋性斜頸は痛みを伴うことはなく、筋性斜頸の側に首の動きを促すことで、多くは1歳までに自然に改善していきます。しかし長期にわたり症状が続くと、顔面が非対称になったり肩が強くこったりする原因となるため、3歳を過ぎても自然に改善しない場合は手術が検討されます。

原因

筋性斜頸は、耳の後ろにある乳様突起と呼ばれる出っ張りと鎖骨・胸骨をつなぐ“胸鎖乳突筋”が、硬く拘縮することによって引き起こされます。

分娩時に何らかの理由で胸鎖乳突筋が過度に伸びてしまうことや吸引分娩、逆子など、妊娠中や分娩時のトラブルによって胸鎖乳突筋にダメージが生じて発症すると考えられています。しかし、明確な原因は明らかになっていません。

症状

胸鎖乳突筋は左右に1つずつありますが、妊娠中や分娩時のトラブルによってどちらか一方がダメージを受けて拘縮すると、硬いほうへ首を傾けるようになります。

多くは生後1か月程度で、首の傾きやしこりによって気付かれます。通常は片側のみに症状が現れるため、いわゆる“向き癖”が続く状態となります。一方で、筋性斜頸は痛みなどの症状を伴うことはなく、多くは首の筋肉が硬い側に首を向かせるよう促すなどの方法で、多くは1歳までに自然と改善していきます。

検査・診断

首の傾きや胸鎖乳突筋の触診などから筋性斜頸が疑われる場合は、以下のような検査が必要となります。

超音波検査

胸鎖乳突筋の太さなどの左右差や、しこりの有無などを確認するために超音波検査を行うのが一般的です。

X線検査、CT検査

普段から首を傾けてしまう状態である“斜頸”は、胸鎖乳突筋の拘縮だけではなく、首や胸の骨の生まれつき異常、中耳炎扁桃炎などによって首の骨の一部に炎症が及んで異常が生じることなども原因となります。そのため、首が傾く原因を調べるためにX線などによる詳しい評価を行うことがあります。

治療

筋性斜頸は特別な治療を行わなくても、胸鎖乳突筋が硬くなって首が傾いたほうを向く練習を重ねることによって、多くは1歳までに自然と改善していきます。そのため、首が傾いたほうに興味を持つおもちゃを置いたり、声をかけたりして首を動かすようにすることが大切です。

このような対策を行っても首の傾きが治らない場合は、顔面の非対称や強い肩こりの原因となるため、硬くなった胸鎖乳突筋を切って首の傾きを改善させる手術が必要になります。手術は、3歳以降も斜頸が残る場合に検討され、多くは就学前に行われます。

予防

筋性斜頸は上述したように、妊娠中や分娩時のトラブルによって胸鎖乳突筋にダメージが生じることによって引き起こされると考えられています。発症を予防する確立した方法はありませんが、斜頸が疑われる場合は放置せずに医師の診断を受け、首が傾いているほうに顔を向ける練習をさせるなどの対策が必要となります。

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