原因
精索は精巣から上方につながる管で、その中に精索静脈と精索動脈が流れていて、このうち精索静脈は心臓へ血液を戻しています。精巣は心臓よりも位置が低いため、精索静脈には弁があり、血液が流れるときに開き、それ以外では閉じて血液の逆流を防いでいます。
しかし、何らかの原因によって弁が正常に機能しなくなると逆流してしまい、その結果として精索静脈が蛇行・拡張してこぶが生じます。また、左腎静脈がほかの血管に挟まれて静脈の圧力が高まることも静脈瘤が起こる原因です。
精索静脈瘤ができると、精巣内の温度が上昇して精子の形成に支障をきたすほか、血流障害によって精液所見が悪化したり精巣が萎縮したりします。このように精巣にさまざまな悪影響が及ぶことから、精索静脈瘤は男性不妊の原因になります。
また、精索静脈瘤は精巣で精子を作る能力の低下、精子のDNA損傷、さらには男性ホルモンの低下を引き起こすため、2人目不妊(1人目の子ども授かった後に2人目をなかなか授かれない状態)の大きな原因にもなります。
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