検査・診断
臨床症状などから結核性髄膜炎が疑われる場合、画像検査や脳脊髄液の検査を交えて総合的に診断を行うことが一般的です。
画像検査
結核性髄膜炎が疑われる場合、まず頭部CT検査・MRI検査を実施し、その後に脳脊髄液検査である腰椎穿刺を行います。画像検査は診断に重要な情報を提供するだけでなく、腰椎穿刺を安全に実施するためにも必要です。
結核性髄膜炎の場合、病初期では正常な場合も多くみられますが、病態の進行に伴い結核菌の拡散により浸出液が増加し、脳底部や脳槽部の高吸収域や水頭症を認められるようになります。造影剤を用いた検査では、脳底部髄膜主体の増強像、結核腫の検出が可能となります。また、撮影方法を変化させることで、急性期脳梗塞がみられることがあります。
脳脊髄液の検査
脳脊髄液を採取し、結核菌に感染しているかどうかを確認します。結核菌の検査には塗抹検査*、培養検査などがありますが、塗抹検査では結核菌が検出されにくく、培養検査には数週間かかることもあるため、PCR検査も併せて行われます。通常のPCR検査では結核菌の検出が困難な場合があるため、Nested PCR(2段階のPCRを連続して行う方法)を用いることで、結核菌の検出率を向上させることができます。
一般的にはいずれかの検査で結核菌の存在が確認されれば確定診断となりますが、髄液の検査やPCR検査による診断確定には時間がかかるため、症状や全身の画像検査、喀痰や胃液などの検体を利用し、総合的にみて判断が行われます。
*塗抹検査:検体をスライドガラスに塗りつけて見やすいように染色したうえで、顕微鏡で見る検査。
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