症状
老人性色素斑はしみの1種であり、褐色調から黒色調の色素斑を認めます。紫外線を浴びることが原因の1つであることから、顔や腕、手の甲などに認めることが多いです。大きさもまちまちであり、数mmほどの大きさであることもあれば、5cmくらいまでの大きさになることもあります。
老人性色素斑が、通常の皮膚と比べて悪性化する頻度が高いというわけではありません。しかし、中には悪性黒色腫と呼ばれる悪性疾患との鑑別が必要となることもあります。悪性黒色腫は、皮膚色素の色全体が不均一であり、周囲の皮膚との境界も不明瞭で不整です。周囲の正常の皮膚と比べて色素部位が盛り上がりを呈することもあり、形も非対象性です。老人性色素斑と悪性黒色腫は、どちらも“皮膚のしみ”としての症状を引き起こしますが、治療方法がまったく異なるため両者を鑑別することは重要です。
また、老人性色素斑と同じくしみの代表格として、肝斑と呼ばれるものがあります。肝斑は老人性色素斑と異なり腫瘍ではありません。皮膚への摩擦、紫外線、女性ホルモン、加齢が原因でメラノサイトが過剰産生されることにより発生します。メラノサイトは、妊娠中にも増えます。30歳代〜60歳代の女性に見られ、頬や目の下、額などに左右対称に薄茶色のしみとして現れます。一般的なレーザーを肝斑に照射しても不変であったり増悪したりするため、最初に老人性色素斑と肝斑を見分けることも重要となります。
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