症状
認知症が背景にある幻覚妄想
- 認知症の初期や認知機能障害の目立たない時期に幻覚妄想が出現し、のちに記憶障害や判断力障害、見当識障害が現れる場合があります。(認知症の行動・心理症状:BPSD)
- 認知症がある場合の妄想の内容としては、物盗られ妄想が最も多くみられます。また、以下のような妄想がみられることもあります。
- 身体や生命の安全への危険、虐待されているなどの被害感を主徴とする妄想
- 自分の内部や周囲に人がいるといった妄想
- 見当識障害や状況認知の障害に起因した妄想
- 嫉妬妄想など家族に関連した妄想 など
このほか、難聴や視知覚障害が妄想、音楽性幻聴や妄想となる場合もあります。
機能性の幻覚妄想状態(広義の統合失調症圏障害)
統合失調症は、一般的に若年(10代後半~30代前半)で発症することが多いとされています。統合失調症が老年期または初老期に初発するかどうかについては議論があり、かつては初老期以降に発症するものを遅発性統合失調症として区別していました。現在は統合失調症の発症年齢についての制限は撤廃され、高齢での発症も認められています。
初老期以降に初発する統合失調症の症状としては、被害妄想や幻覚などの陽性症状が優位に経過するものの、感情や社会機能が保たれており、自発性の低下などの陰性症状は目立たないことが特徴的です。
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