はいりんぱみゃくかんきんしゅしょう

肺リンパ脈管筋腫症

最終更新日:
2018年09月28日
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2018/09/28
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概要

肺リンパ脈管筋腫症(LAM)とは、肺に異常な腫瘍細胞(LAM細胞)がゆっくりと増殖することで、嚢胞(のうほう)と呼ばれる小さな穴が形成される病気です。慢性的な経過で息苦しさが生じたり、気胸により突然胸の痛みを自覚したりします。

患者さんのほとんどは妊娠可能年齢の女性であり、国の難病指定を受けています。また、肺以外にも病変がみられることから、リンパ脈管筋腫症と呼称されることもあります。

肺リンパ脈管筋腫症は、結節性硬化症という病気に伴って発生する場合と、無関係に発生する場合の2種類があります。

原因

肺リンパ脈管筋腫症は、結節性硬化症と呼ばれる病気の一症状として発症することがあります。結節性硬化症は、TSC1遺伝子やTSC2遺伝子と呼ばれる遺伝子に異常が生じることが原因で発症します。

結節性硬化症は、常染色体優性遺伝と呼ばれる遺伝形式を取り、ご両親いずれかが病気を有している場合、理論的には50%の確率でお子さんにも発症します。一方で、遺伝とは関係なく、突然発症的に病気の発症に至ることもあります。

また、結節性硬化症とは関係なく、肺リンパ脈管筋腫症を発症することもありますが、この場合もTSC2遺伝子の異常が原因と考えられています。

症状

肺リンパ脈管筋腫症では、肺に嚢胞(のうほう)と呼ばれる袋状の異常構造物が多数形成されます。嚢胞が数多く形成されることで肺の機能が徐々に低下し、慢性的な経過で疲れやすさ、息切れなどの症状が現れます。

また、肺の嚢胞は破れやすく、肺の外に空気がもれて気胸と呼ばれる状態を起こすことがあります。気胸を発症する際、突然に胸の痛みを感じることが多く、空気のもれが大きいと息苦しさなどの症状も現れます。肺リンパ脈管筋腫症が原因で起こる気胸は、何度も繰り返すことがあります。

肺リンパ脈管筋腫症による病変は、腹部を中心に肺以外の臓器に発生することがあります。これによって、腹水や足のむくみ、腹痛などの症状が現れる場合もあります。

検査・診断

胸部単純レントゲン写真や胸部CT検査などの画像検査を行って、肺に嚢胞が数多く存在していないか調べます。

また、肺病変の一部を生検したり、また胸水、腹水などを採取して、LAM細胞が存在していないかを顕微鏡的に調べることもあります。

そのほかにも、呼吸障害の程度を評価するために呼吸機能検査を行うことがあります。

治療

呼吸障害が起こってきている場合には、気管支拡張薬の投与や酸素投与(在宅酸素療法など)などが行われます。

また、肺の病変の進行を抑制することを目的とした薬剤を投与することもあります。さらに、病気の経過によっては肺移植が検討されるケースもあります。

肺リンパ脈管筋腫症は、結節性硬化症に伴って発症することもあるため、この場合には、遺伝子カウンセリングも考慮されます。

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