症状
肺胞は、肺の中のブドウ状に密生した細かい袋状の構造をしています。呼吸の際の酸素と二酸化炭素のガス交換の場であり、息を吸うことで取り入れられた酸素が血液に乗って全身に運ばれていき、息を吐くことで血液中の二酸化炭素が出されます。
肺気腫では肺胞でのガスの交換が正常に行われなくなり、さらに肺胞の構造が破壊されることで弾力性が失われ、呼吸によって取り込んだ空気を吐き出しにくくなります。その結果、体を動かすと息苦しさを感じるようになり、咳や痰も出やすくなります。心臓にも負担がかかるようになるため、進行すれば心不全を併発するケース(肺性心)も多いとされています。
さらに、肺の中に空気が残りやすくなることで胸がビール樽のように見えたり、血中の酸素濃度が慢性的に低下することでチアノーゼがみられたりと、“見た目”の変化が現れることも少なくありません。
また、活動性が低下するため、体重あるいは筋肉量の減少(サルコペニア)やフレイルの状態が引き起こされ、肺炎などの感染症にかかるリスクも高くなります。
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