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息切れ・せき・たんが続く肺気腫とは?~壊れた肺胞は戻らない? 急激に体重が落ちることも~

息切れ・せき・たんが続く肺気腫とは?~壊れた肺胞は戻らない? 急激に体重が落ちることも~
本間 栄 先生

東邦大学医学部びまん性肺疾患研究先端統合講座 教授、東邦大学医療センター大森病院間質性肺炎セン...

本間 栄 先生

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肺気腫とは肺胞が広範囲に壊れた状態のことです。そのため、息を吐くと気管支が枝分かれした細い部分が狭くなり空気の流れが妨げられ、息切れやせき、たんなどの症状が現れることがあります。

また、慢性気管支炎と併せてCOPD(chronic obstructive pulmonary disease・慢性閉塞(へいそく)性肺疾患)と呼ばれます。

本記事では、肺気腫が発生する流れや症状、治療などについて詳しく解説します。

肺気腫は、肺胞が破壊されることで起きるとされています。肺胞は気管支が枝分かれした先にぶどうの房のように存在している組織で、呼吸によって取り込まれた酸素と血液中の二酸化炭素を交換する役割を持っています。

正常な肺は肺胞に弾力があり、息を吐くときには縮んで二酸化炭素を外に出しています。しかし、肺気腫を発症すると、何らかの原因によって肺胞を支えている肺胞壁が破壊され、肺胞同士が融合して弾力もなくなり、肺にたまった空気が押し出せなくなってしまいます。

また、肺の中の気管支が枝分かれした部分には肺胞壁と連結した細気管支があります。肺気腫になるとこの細気管支壁の炎症と肺胞壁の破壊により、息を吐くと細気管支が狭くなり空気の通りも悪くなります。

肺気腫の主な症状は息切れやせき、たんなどです。息切れは運動時でなくても、階段の昇り降りなどの日常的な動作で起こることがありますが、初期の場合はしばらくすれば治まることもあります。しかし、病気が進行すると息切れはさらにひどくなり、特に喫煙をしている場合はよりひどくなる傾向があるとされています。さらに肺炎などの感染症にかかる頻度が増え、その際は安静にしていても息切れが生じる場合があります。

また、体重が大幅に減少する場合もあります。原因は明らかになっていませんが、息切れによって食事を取りづらくなることや、血液中の腫瘍壊死因子(しゅようえしいんし)(不要な細胞の排除、感染防御、腫瘍に対抗する作用がある物質)の濃度が高まることが関連する可能性が示唆されています。

破壊されてしまった肺胞を元に戻すことはできないため、現時点で肺気腫の根本的な治療法はないとされています。しかし、症状を改善する薬物療法や呼吸リハビリテーションはあります。

肺気腫の原因の多くは喫煙による肺胞の炎症、破壊とされており、喫煙を続けると病気が進行するため、まずは禁煙することがもっとも大切です。そして、禁煙をしたうえで薬物療法やリハビリなどの治療を行うことがあります。

薬物療法の中心となるのは、気管支を拡げて呼吸をしやすくするための吸入気管支拡張薬です。また、呼吸機能改善のための呼吸リハビリでは、ウォーキングや自転車など下半身を使った持久力トレーニングや、空気が肺にたまって過膨張になることを防ぐ口すぼめ呼吸、たんなどを取り除くための処置などさまざまなものが行われます。

肺気腫は肺胞が破壊されることで引き起こされ、一度破壊された肺胞を元に戻すことはできず、完治は不可能とされています。

しかし、早期に禁煙することで肺気腫の進行を予防することは可能だといわれています。ただし、早期では症状が出ないこともあるため、すでに喫煙習慣があり肺気腫の発症が気がかりな人は、早めに禁煙に取り組むとよいでしょう。医療機関によっては禁煙外来などを設けているところもあるので、自身での禁煙が難しい場合は受診を検討しましょう。

また、肺気腫ではせきやたん、息切れなどさまざまな症状が現れますが、症状が早期に現れるとは限りません。たとえ症状があったとしても風邪や運動不足として見逃されてしまうこともあるため、特に喫煙者の場合はせきやたん、息切れなどの症状に注意し、気になる症状があれば内科や呼吸器内科などの受診を検討するとよいでしょう。

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  • 東邦大学医学部びまん性肺疾患研究先端統合講座 教授、東邦大学医療センター大森病院間質性肺炎センター センター長

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