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インタビュー

禁煙外来で簡単に禁煙する方法-「楽でなければ成功できない」

禁煙外来で簡単に禁煙する方法-「楽でなければ成功できない」
村松 弘康 先生

中央内科クリニック 院長

村松 弘康 先生

タバコを吸っている方には禁煙はとてもつらいもの。タバコの値段が上がっても、体に悪いと分かっているつもりでも、なかなか禁煙できない方は多いのではないでしょうか。どうしたら簡単に禁煙できるのか。禁煙外来に力を入れる、中央内科クリニックの村松弘康先生にうかがいました。

実は私も、以前はタバコを吸っていました。しかし、呼吸器内科医として肺がんCOPDで苦しんで亡くなっていく方たちを拝見して、考えを変えたのです。私の友人の医師にも、タバコがやめられない人がいますが、医師でさえ、担当している科によってはタバコの有害性をきちんと実感できていないのが現状です。これは、「戦争は怖い」と言っても、見たことがなければ実感がわかないのと一緒です。私も現場で、患者さんのご家族が本当に悲しんで、ご本人も苦しんで亡くなっていく姿を見て、はじめてなんとかしなければいけないと思ったのです。

さらにタバコには「依存」という問題があり、頭ではタバコの害を理解しているつもりでも、実際にはなかなかやめられないのです。

この連載では、そんなタバコの恐ろしさを少しでも多く伝えるとともに、どうすればやめられるのか、その有効な手段のひとつとして、禁煙外来の紹介をしていきたいと思います。

ニコチンには麻薬性といっていいほどの依存性があります。人によってその度合いは違いますが、ニコチンに対する薬物依存が生じてしまうためにタバコをやめられなくなってしまうのです。

ニコチンの依存性については興味深い観察結果が数多くあります。インターネットで「タバコ チンパンジー」と検索していただくと、タバコを吸う猿の動画がたくさん出てきます。

なかには、観光客がポイ捨てしたタバコを拾い、まさしく「猿マネ」をして吸っている間に、本当にニコチン依存となってしまった猿もいるようです。

いろいろな国でこうした猿が出てきていて、研究調査が行われた結果、ニコチン依存になった猿にニコチンが入っていないタバコを渡しても、興味を示さずに今度は猿がポイ捨てすることがわかりました。単なる「猿マネ」ではなく「ニコチン依存」で吸っていることが確認されたのです。

この他にもさまざまな実験を行った結果、猿から魚まで、動物の脳はニコチンへの依存が生じるということが明らかになっています。

昔の私もそうでしたが、タバコを吸う人はみな「ストレスが多いからやめられない」と言います。しかし、猿がタバコを吸うことからも分かるように、私たちも実はストレスでタバコを吸っているのではありません。猿も私たちも依存性と習慣性でタバコを吸うのです。

本来、タバコにストレスを解消する力はありません。生まれて初めて吸う時はみな、まずく感じるはずです。ニコチンは確かにドーパミンを放出し、交感神経を刺激する作用をもち、カフェインのような覚醒効果があります。ただし、ニコチンで覚醒したような気分を得るのは、身体がニコチンに慣れた人でないと難しく、初めて吸う人は交感神経が過緊張の状態になってしまいます。せっかく体がニコチンなしで正常なバランスをとっているところに、ニコチンが入ってくると、交感神経が過緊張の状態になるのでドキドキしたり、オエッと気持ち悪くなったりするのです。

しかし毎日タバコを吸っていると、今度はニコチンありきで神経がバランスをとるようになります。そうなると今度は、ニコチンがなくなると逆に神経のバランスが崩れてしまうので、イライラしたり落ち着きがなくなったりします。そこにタバコを吸うと、ニコチンが再度補充されるため、神経がまたバランスを取り戻し、「やっぱりタバコはいい。自分にはなくてはならないものだ!」と錯覚し、やめられなくなってしまうのです。こうなるともう、完全にニコチンに操られている状態です。

さらに、タバコが持つ習慣的・心理的な依存も見過ごせません。口さみしさや手持ち無沙汰から吸ってしまったり、「休憩=タバコ」になっている人も多いのではないでしょうか。いちど習慣の中に入り込んでしまうと、なかなかやめることが難しいものです。タバコへの依存は、この習慣的・心理的な側面も大きいのです。

禁煙外来では、何よりもまず「楽に禁煙が出来る」ということを大事にしています。つらいダイエットやつらい禁煙は誰もしたくありませんし、成功しないものです。楽に禁煙して頂くために、ほとんどの場合は禁煙補助薬を使うことをお勧めしています。これはニコチン自体をパッチやガムから摂取したり、チャンピックスという薬(ニコチンの類似物質)を使うことで、ニコチン切れの不快感をなるべく感じなくさせるためです。

タバコには「ニコチンという薬物に対する身体的依存」と「習慣としての心理的依存」があるということをお話してきました。禁煙補助薬には前者を抑える効果はあっても、後者を解消する効果はなく、心理的依存はご自身の力で克服して頂くことになります。

しかし、せめて身体的依存から生じるニコチン切れの不快感(離脱症状)を禁煙補助薬で抑えながらでないと、とても習慣を断ち切ることに専念することなどできないのです。

身体的な依存と、習慣の両方を、自力で一度に断ち切るというのはかなり辛いことです。身体的にはニコチンを切らさずに「楽」をしつつ、習慣を断ち切ることに専念していただく、そのサポートをするのが禁煙外来だとご理解いただければよろしいかと思います。

禁煙外来の詳しい説明に入る前に、次回は、私が喫煙をやめるきっかけとなったタバコの害の恐ろしさについて、少しまとめてお話できればと思います。

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