症状
胃アニサキス症は症状の程度によって、急性アニサキス症(劇症型)と慢性アニサキス症(緩和型)に分けられます。
胃アニサキス症の大半が該当する急性アニサキス症は、原因となる魚介類を食べてから数時間後に強い上腹部の痛み、悪心、嘔吐が起こります。しばらくすると痛みが落ち着き、数分経つと再び激しい痛みが起こるというように、一定の間隔で痛みが出たり止まったりするのが特徴です。
これまで、上腹部の痛みはアニサキス幼虫が胃壁に食いつくことで起こると考えられていましたが、現在ではアニサキス幼虫に対するアレルギー反応によるものと考えられています。アレルギー反応によって全身に蕁麻疹が出る場合があるほか、血圧の低下や呼吸困難、意識障害などのショック症状が出現するアナフィラキシーショックに陥るケースもあります。
一方、慢性アニサキス症は自覚症状に乏しく、無症状であるケースも少なくありません。そのため、健康診断などの画像検査で偶然に胃壁に肉芽腫*が発見され、摘出した肉芽腫の内部にアニサキス幼虫が発見されるケースもあります。
*肉芽腫:長期間の炎症によって生じるこぶ様の病変。
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