検査・診断
胎便吸引症候群の診断や重症度の判定には、胸部レントゲン写真、血液ガス検査が行われます。
胸部レントゲン写真
胎便吸引症候群では、胎便が吸引された部分に関連して肺胞がつぶれます(肺胞虚脱)。肺胞虚脱を起こした部位は、レントゲン写真で白く撮影されます。
また、胎便吸引症候群では、肺胞虚脱とは逆に過剰に空気が入り込んでいる肺胞を認めることがあります(肺気腫)。肺気腫の部位は、レントゲン写真では黒色が強く観察されます。胎便吸引症候群では、白い部分と黒い部分が混在することが特徴的です。
胎便吸引症候群に続発して気胸をみることもありますが、これも胸部レントゲン写真にて診断をされます。
血液ガス検査
胎便吸引症候群では、肺組織における正常な呼吸が行うことができなくなります。そのため、血液ガス検査を行うと血液中の酸素が足りていない状態や、二酸化炭素がうまく体外に排泄できていない状態を観察することがあります。これに伴い、血液のpHが正常よりも酸性に傾くアシドーシスと呼ばれる状態になります。
また、新生児遷延性肺高血圧症と呼ばれる、特殊な血行動態を示すこともあります。胎児では肺への血流が乏しいことが正常な姿であり、出生後、肺の血圧が下がるにつれて肺への血流も増加します。しかし、胎便吸引症候群では、肺高血圧が出生後も持続することがあり、このことを新生児遷延性肺高血圧症と呼びます。新生児遷延性肺高血圧症では、心エコーを行い肺の状態を確認します。
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