症状
胚細胞腫瘍の症状は発生した部位によって大きく異なります。
精巣や卵巣に発生した場合は、それらの臓器に腫れが生じます。精巣の場合は痛みを伴わない睾丸の腫れやしこりが見られるため比較的早く発見することが可能ですが、卵巣は体の深くに位置するため症状が現れにくく、発見が遅れてしまうことも珍しくありません。しかし、進行すると下腹部痛や下腹部のしこりが生じるとされています。
一方で、性腺外原発の胚細胞腫瘍は体の中心部に発症しやすいのが特徴であり、縦隔(左右の肺に挟まれた空間)や仙骨部(お尻の辺り)、脳の中心部などに多く発生します。
縦隔に発生した場合は胸の痛み・咳・息切れなどを引き起こし、仙骨部に発生した場合はお尻にしこりが生じるほか、周囲を走行する排便・排尿を司る神経にダメージを与えて排便や排尿の異常を引き起こすことも少なくありません。
また、脳に発生した場合は、頭痛や嘔吐など頭蓋内圧上昇に伴う症状のほか、ホルモンの産生を生じる下垂体に発生したケースでは、視野の異常、ホルモン分泌異常による成長障害や食欲低下などを引き起こします。
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