症状
胸部打撲の症状は、一般的には胸を打ち付けた部位の痛みやあざ、腫れなどです。
骨や胸膜、血管や心臓に衝撃が加わり損傷が及んだ場合、以下のような状態・症状を呈することがあります。
肋骨骨折
肋骨骨折や筋肉の損傷があれば、深呼吸や運動により強い痛みが生じます。特に、多数の肋骨骨折がある場合、フレイルチェストが起こることがあり、激しい痛みと呼吸機能の低下を生じます。フレイルチェストとは、息を吸ったときに胸郭が陥凹し、吐くときに突出する奇異呼吸が起こり、急性呼吸不全に陥る状態です。
気胸
強い衝撃により胸膜(肺を包む膜)が破れた場合には、肺の中の空気が胸に貯まり、気胸という状態になります。気胸では肺が膨らまなくなり、胸の痛みや咳、息苦しさが生じることがあります。
大動脈の損傷
全身に血液を送る大動脈が傷ついた場合、血管が断裂して体の中で大出血を起こすことがあります。多量の出血が起こると意識の低下やだるさなどが生じて、場合によっては意識を消失することもあります。
心停止
心臓に強い衝撃が加わると、心臓における正常な電気的活動が破綻することがあります。これにより心室細動と呼ばれる危険な不整脈が生じ、心停止に至ることがあります。心停止が生じた場合、瞬時に意識消失が起こります。野球の練習中にボールが胸にぶつかり、心臓が止まってしまうという事故はその典型です。
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