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しぼうにくしゅ

脂肪肉腫

最終更新日:
2023年05月24日
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2023/05/24
更新しました
2017/04/25
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概要

脂肪肉腫とは悪性軟部腫瘍(あくせいなんぶしゅよう)の1つで、脂肪組織から悪性の腫瘍が生じる病気です。悪性軟部腫瘍自体は比較的まれながん(希少がん)ですが、その中で脂肪肉腫はおよそ40%を占めるといわれており、悪性軟部腫瘍の中では比較的発生頻度が高いがんです。

脂肪肉腫はさまざまな年齢の人にみられますが、発症年齢の中央値は62歳といわれており、男女比はやや男性に多いといわれています。好発部位は四肢や臀部(でんぶ)後腹膜(こうふくまく)*です。特に後腹膜に生じた場合は腫瘤(しゅりゅう)を自覚しにくく、かなり大きくなるまで気が付かないということもあります。

*後腹膜:胃や腸などの臓器が入った部分を“腹膜”といい、腹膜と背骨の間に位置する領域を“後腹膜”といいます。大動脈や下大静脈などの重要な血管のほか、腎臓が存在しています。

種類

脂肪肉腫には、5種類の組織型分類があります。それぞれの組織型によって、悪性度や好発年齢などが大きく異なり、予後にも違いが生じます。

高分化型脂肪肉腫(異型脂肪腫様腫瘍)

脂肪肉腫の40~50%を占めるといわれており、好発年齢は40~50歳代です。悪性度が低くゆっくり増殖するため、良性の“脂肪腫”との見分けが難しいこともあります。

発症した部位によって異なった名称で呼ばれる傾向にあり、後腹膜に生じたものは“高分化型脂肪肉腫”、四肢に生じたものは“異型脂肪腫様腫瘍”と呼ばれることが一般的です。四肢の中では特に太ももに生じやすいという特徴があり、四肢に生じたものは治療後転移をしにくく、良好な予後が得られます。一方で後腹膜に生じたものは正常組織との区別が難しいことから、治療後の再発率が高くなります。

また一部で、下記の脱分化型に転化する場合があり、注意を要します。

脱分化型脂肪肉腫

脱分化型脂肪肉腫は悪性度の高い脂肪肉腫で、およそ10%は高分化型脂肪肉腫(異型脂肪腫様腫瘍)から発生するといわれています。そのため、好発年齢や発生部位は高分化型脂肪肉腫(異型脂肪腫様腫瘍)と同様ですが、中でも特に後腹膜に発生しやすいことが特徴です。高分化型脂肪肉腫(異型脂肪腫様腫瘍)と比較すると、転移しやすく予後が悪いことが特徴です。

粘液型脂肪肉腫

脂肪肉腫の30%程度を占めるといわれており、腫瘍の内部が粘性に富んでいることが特徴で、特異的な遺伝子変異(融合遺伝子)を有します。好発年齢は30~40歳代といわれていますが、ときに20歳以下の人にみられることもあります。

好発部位は四肢で、特に太ももの深い位置によくみられ、悪性度の高いものは遠隔転移を引き起こす場合もあります。遠隔転移は肺以外の部位(骨など)にも生じやすいことが特徴です。

多形型脂肪肉腫

脂肪肉腫の5%ほどを占め、悪性度が高いことで知られています。発症年齢は50歳以上で、好発部位は四肢の深い部分ですが、ときに体幹や後腹膜にも発生することがあります。

多形型脂肪肉腫の特徴として、3~6か月という短期間で腫瘍が大きくなることや、ほかの部位へ転移する可能性が高いことなどが挙げられ、予後の悪い病気として捉えられています。

粘液多形型脂肪肉腫

粘液型脂肪肉腫と多形型脂肪肉腫の特徴が重なり合ったタイプの脂肪肉腫で、発生頻度が少なく、2020年に発表された『軟部腫瘍WHO分類 第5版』から追加された比較的新しい組織型です。

ほかの組織型と比較すると発症年齢が低く、子どもや若年者など30歳以下の患者が多くみられるほか、男性より女性に多いことが特徴です。発生部位は幅広く、主な部位として縦隔、太もも、お腹、臀部などが挙げられます。悪性度は高く、転移や再発のリスクも高いため、予後が悪いと考えられています。

原因

脂肪肉腫に限らず、悪性軟部腫瘍の多くは発生原因が分かっていません。ただし、まれに遺伝的な要因によって発症する悪性軟部腫瘍もあると考えられています。

症状

脂肪肉腫はどの組織型であっても、自覚症状があまりない傾向にあります。発生箇所によっては痛みのないしこりを自覚できることもあり、特に5cmを超える場合は脂肪肉腫を含めた何らかの悪性腫瘍である可能性が疑われます。

ただし、後腹膜など腫瘤が分かりにくい部位に発生した場合、かなり大きくなるまで自覚できない可能性があります。そのため、本人が気付く前にほかの病気の診療や健康診断で受けた画像検査で発見されるケースも少なくありません。

検査・診断

脂肪肉腫が疑われた場合、血液検査や画像検査で異常の有無を確認します。これらの検査で疑わしい病変が発見された場合、その組織を採取して顕微鏡で見る“生検”が行われ、その結果をもって確定診断を行います。

血液検査

腫瘍が大きく、悪性度の高い悪性軟部腫瘍では、血液中のLDHやCRPと呼ばれる値の上昇がみられることがあります。

画像検査

X線検査や超音波検査、CT検査、MRI検査などを行いますが、特にMRIが有用です。また、造影剤を用いたCTでは腫瘍周辺の血管の位置や状態を確認できます。

そのほか、PET-CT検査が検討されることもあります。

生検

脂肪肉腫の確定診断には生検が必要です。生検に必要となる腫瘍の組織は、皮膚から針を刺して採取したり、一部を切開して採取したり、病変をまるごと切除して採取したりすることがあり、症例に応じて適した方法を選ぶことが一般的です。手術による切除で採取される場合もあるため、治療後に正確な病名が確定されることもあります。

また、採取した組織を用いて遺伝子検査を行うこともあり、特異的な遺伝子変異を有する粘液型脂肪肉腫はその検査により確定されることがあります。

治療

脂肪肉腫では可能な限り手術治療を行うことが一般的です。手術治療と組み合わせて放射線治療や化学療法が行われることもあり、手術の難しい人には、まず化学療法や放射線治療が検討されることもあります。

手術治療

手術治療では再発を予防するために、周囲の組織と共に大きく切除する“広範囲切除”を行うことが一般的です。

放射線治療

腫瘍の位置などにより広範囲切除が難しい場合に、手術と組み合わせて放射線治療が検討されます。放射線治療は手術の前に行われることもあれば、後に行われることもあります。

化学療法

粘液多形型脂肪肉腫では、現在手術と化学療法を組み合わせて治療されることが多くなっています。それ以外でも、転移のあるものや悪性度の高い組織型に対しては、化学療法も検討します。

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