治療
腎血管性高血圧症の治療は薬物療法など内科的治療が基本で、降圧薬を中心に適切な血圧コントロールを行い、動脈硬化性病変の進行を防ぎます。そのほかの治療方法には、カテーテル治療やバイパス手術、自家腎移植があり、病状に応じて選択されます。
使用する主な降圧薬は、レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬またはアンジオテンシンII 受容体拮抗薬(ARB)です。RA系阻害薬は腎動脈狭窄での生命予後、脳心血管病の発症率、腎予後を改善させることが多くの研究で示されています。そのほか、カルシウム拮抗薬や利尿薬、β遮断薬などを併用するほか、降圧薬以外では動脈硬化の予防にHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系脂質異常症治療薬)や抗血小板薬も併用します。血行再建術では、狭くなった腎動脈をバルーンやステントと呼ばれる器具で広げるカテーテル治療を行います。
また、バイパス手術や自家腎移植が検討されることもあります。バイパス手術では狭くなった動脈に対して外科的に迂回路(バイパス)をつくることで腎臓への血流を改善します。
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