原因
腟がんの大部分(80-90%)は扁平上皮がんで、ついで約5~10%が腺がんです。この他まれではありますが、原発性腟がんとして悪性黒色腫、肉腫、小細胞がんなどが知られています。
扁平上皮がんの主な危険因子としては、高年齢(60歳以上)、子宮頸部の扁平上皮がんと同じくヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が挙げられます。腟の扁平上皮がんには子宮頚部の扁平上皮がんと同様に前癌病変があり、腟上皮内腫瘍(vaginal intraepithelial neoplasia; VAIN)と呼ばれます。異型の程度によってVAIN1〜VAIN 3の3段階に分類され、VAINの大部分は持続的な HPV 感染が要因であることが知られています。
一方、腺がんは腟の表面にある腺細胞より発生します。多くは高齢女性にみられ、扁平上皮がんと比べて、肺やリンパ節への転移の可能性が高くなります。海外において胎児期に母親がジエチルスチルベストロール(DES)という薬物を使用した場合(現在は国際的に使用が禁止されています)に特殊な型の腺がんが発生するという報告がなされていますが日本ではDESの使用は少なく非常にまれです。
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