原因
自己免疫性膵炎では、膵臓に自己免疫をきっかけとした炎症が生じる結果、膵臓が腫れ上がってしまいます。膵臓の中には、消化に必要な「消化酵素」と呼ばれる物質を通す「膵管」と呼ばれる管が通っていますが、自己免疫性膵炎で膵臓が腫れると消化酵素の通りが悪くなります。また膵臓が腫れることから、胆汁の流れが阻害されるようになります。胆汁のなかには、「ビリルビン」と呼ばれる糞便の色の素となる黄色い物質が存在しています。胆汁の流れが阻害されることから消化管のなかにビリルビンが排泄されなくなり、その代わりに血液中にビリルビンが多く見られるようになります。その結果、黄疸という症状が引き起こされることになります。
また、膵臓は「インスリン」と呼ばれる物質を分泌する働きも有しています。インスリンは、血糖コントロールに非常に重要な役割を示すホルモンです。自己免疫性膵炎ではインスリンの分泌も障害を受けることになり、その結果血糖コントロールがうまくいかなくなり糖尿病を引き起こすこともあります。
自己免疫性膵炎では、膵臓のなかに腫瘤が形成されることも知られていますが、膵臓がんでもみられるため、両者の鑑別が必要になることもあります。なお、自己免疫性膵炎では自己免疫がきっかけとなって上記のような反応を引き起こすのですが、なぜ自己免疫が自身の膵臓を攻撃するようになるのかについての原因はまだわかっていません。
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自己免疫性膵炎について
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