原因
舌苔の原因には、以下が挙げられます。
- 食事の際、あまり咀嚼をしない
- 食事の際、あまり舌を動かさない
口のなかの粘膜は、絶えず新陳代謝を繰り返しています。通常、食事するときは咀嚼して舌をフルに活動させていますが、柔らかいものを食べたりしてあまり咀嚼せず、舌を動かさないで食事を摂ると付着しやすくなります。ほかに唾液分泌量の低下、口呼吸による口腔乾燥、緊張性のストレスが原因となったり、全身疾患(糖尿病、シェーグレン症候群、十二指腸潰瘍)の副症状として生じたりするといわれています。
摂食嚥下障害の方に対して施す経管栄養や、集中治療の呼吸管理に対して施す経口挿管状態は、口の機能を全くはたらかせないこともあるため、舌苔が付着しやすいです。近年、高齢者の孤立化(社会的フレイル)がみられます。つまり人との会話が減ることで、舌を動かさないために、舌苔が付着しやすい環境になります 。
最近の研究では、舌苔の付着範囲と口内のアセトアルデヒド濃度が互いに比例関係にあることがわかってきました 。口のなかのアセトアルデヒドは、長期間暴露されていると口腔がんのリスクになるといわれています。口腔がんは摂食嚥下障害を合併しやすい病気であるため予防が大切です。
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