ぜつたい

舌苔

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

舌苔(ぜったい)とは、舌表面に付着した上皮から剥れた垢のことを指します。歯に付着する歯垢と似ており、細菌が潜んでいることもあります。舌苔を放置した場合、味覚異常や舌炎の原因になるといわれています。

原因

舌苔の原因には、以下が挙げられます。

  • 食事の際、あまり咀嚼をしない
  • 食事の際、あまり舌を動かさない

口のなかの粘膜は、絶えず新陳代謝を繰り返しています。通常、食事するときは咀嚼(そしゃく)して舌をフルに活動させていますが、柔らかいものを食べたりしてあまり咀嚼せず、舌を動かさないで食事を摂ると付着しやすくなります。ほかに唾液分泌量の低下、口呼吸による口腔乾燥、緊張性のストレスが原因となったり、全身疾患(糖尿病シェーグレン症候群十二指腸潰瘍)の副症状として生じたりするといわれています。

摂食嚥下障害の方に対して施す経管栄養や、集中治療の呼吸管理に対して施す経口挿管状態は、口の機能を全くはたらかせないこともあるため、舌苔が付着しやすいです。近年、高齢者の孤立化(社会的フレイル)がみられます。つまり人との会話が減ることで、舌を動かさないために、舌苔が付着しやすい環境になります 。

最近の研究では、舌苔の付着範囲と口内のアセトアルデヒド濃度が互いに比例関係にあることがわかってきました 。口のなかのアセトアルデヒドは、長期間暴露されていると口腔がんのリスクになるといわれています。口腔がんは摂食嚥下障害を合併しやすい病気であるため予防が大切です。

症状

舌表面の上皮から剥れた垢(舌苔)は、肉眼では舌の表面に付着した白色または黄褐色、黒色の苔状にみえます。軽度の付着では無症状ですが、舌苔が堆積してくると、口臭や味覚障害、舌の接触痛などの舌炎の症状が現れます。黒色状のものは黒毛舌といわれ、抗生剤の長期投与などで口のなかの細菌のバランスが変化することで生じる現象です。

検査・診断

特に検査する項目はなく、舌表面を視診にて確認します。刷掃(さっそう)すると比較的容易に除去できるものが多いです。舌苔には細菌が多く潜んでいるといわれているため、舌背から舌苔を採取し、その中に潜んでいる細菌の数を細菌カウンタにより客観的に測定します。

白色状の舌苔でもパン粉を投げつけたような舌苔は口腔カンジダ症で生じる偽膜の可能性があるため、舌苔を採取して鏡検培養を行い、カンジダ・アルビカンズ(candida albicans)の存在を確認します。

治療

全身疾患の治療

全身疾患が原因の場合、その病気に対する治療を優先します。

舌苔の物理的除去

舌苔自体は物理的に除去します。舌ブラシや歯ブラシを使用し、優しく舌表面をなでるようにして、奥から手前へと一方向に動かして行います。このとき舌苔除去を過剰に行ってしまうと、舌表面が傷つき出血して舌苔が付着しやすい環境になることがあるため、注意が必要です。舌苔除去については賛否両論がありますが、要介護高齢者、摂食嚥下障害の方などで、自立して歯ブラシが困難な場合に、行うことが推奨されています。

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