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こうくうがん

口腔がん

最終更新日:
2023年11月30日
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2023/11/30
更新しました
2021/03/24
更新しました
2017/04/25
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医師の方へ

概要

口腔がんとは、舌・歯肉・口底・頬粘膜や口蓋など口のいろいろな場所に発生するがんの総称です。口腔がんは、舌がん・歯肉がん・頬粘膜がんなど部位により名称が異なります。わが国では、口腔がんは比較的まれな病気であり、全てのがんの中で約2%の発症頻度です。

口腔がんは、初期の段階では自覚症状をほとんど認めないため、自分で気付かないことも珍しくありません。しかし、進行すると痛みやしびれを自覚し、首のリンパ節が腫れたり、肺などの臓器に転移を引き起こしたりします。

口腔は味覚を感知したり、食事を摂取し飲み込んだり、発声したりするなどの重要な機能を備えているため、がんが進行すると、痛みやしびれ、味覚障害咀嚼(そしゃく)障害、発音障害などの多くの機能障害が発現します。口腔がんの原因として、乱れた歯並びや放置した虫歯、不適合な入れ歯などによって口の中に慢性的な刺激加わることにより発症するといわれています。また、口の中を不衛生な状態で生活すること、喫煙習慣や過度な飲酒などの生活習慣も発症に関与していることが分かっています。そのため、正しい口腔ケアや生活改善を行って口腔がんの発症を予防していくことが大切です。

原因

口腔がんはさまざまな原因によって引き起こされることが分かっています。代表的な要因としては、長年の過度の飲酒や喫煙習慣によって口の中の粘膜に刺激が加わり続けることが挙げられます。また、口腔がんの中でもっとも多い舌がんは、歯並びの乱れ、虫歯で欠けた歯、不適合な入れ歯などで慢性的な刺激を受けることによって発症することも知られています。そのほか、香辛料の多い飲食物や高温な飲食物による刺激、歯周病などによる口の中の粘膜の炎症も口腔がんの原因の1つと考えられています。

症状

口腔がんの代表的な前駆症状(口腔がんに移行しやすい病気)として“白板症”が知られています。これは、普段ピンク色をしている口腔粘膜が白くなり、こすっても取れない状態をいいます。自覚症状はほとんどなく、経過観察中に約5~10%が口腔がんに移行するといわれています。

口腔がんを発症するとやがて表面が粗造になり、一部びらんや潰瘍(かいよう)肉芽(にくげ)が見られるようになります。舌や歯茎、頬や顎の粘膜にしこりや口内炎のような病変が形成され、この頃から何かおかしいと気づくようになります。しかし、多くは痛みや出血などがないため、口内炎と考えることや、発症に気付かないケースも少なくありません。

やがて進行すると、大きな潰瘍やしこりが形成され、痛みや出血が見られるようになります。また、舌が動かしにくくなったり、口が開けにくくなったりすることで、食事や発声にも支障をきたすようになります。また、口腔がんは比較的早い段階から首のリンパ節に転移を起こしやすく、首や顎の周りにしこりが触れることがあります。また、肺などほかの臓器に転移するケースも少なくありません。

検査・診断

口腔がんが疑われるときは、確定診断や病状を評価するために次のような検査が行われます。

血液検査

血液検査だけで口腔がんの診断をすることはできませんが、口腔がんによる貧血や炎症の有無などを調べることができるため、一般的には血液検査が行われます。また、口腔がんには特徴的な腫瘍(しゅよう)マーカーとしてSCC抗原があります。感度はそれほど高くありませんが、食道がん胃がんなどの重複がんを調べるため、ほかの腫瘍マーカーも含めて検査が行われることがあります。

画像検査

病変の広がりや転移の有無などを確認する目的で造影CT、造影MRI、超音波検査などの画像検査が行われます。また、全身に転移が起きている可能性がある場合は、必要に応じてPET-CTの検査が行われます。

細胞診

口腔がんが疑われた場合、まず最初に行うのが細胞診です。これは病変の表面を歯間ブラシなどで擦過して細胞を採取し、悪性の細胞が見られるか顕微鏡で観察する方法です。簡便な検査法で結果が比較的短期間で判明するため、細胞が悪性であるか否かを評価する目的で行われます。

病理検査

病変の組織の一部を採取して顕微鏡で詳しく観察する検査です。組織を採取する際には若干の痛みを伴うため局所麻酔を行います。口腔がんは上皮ががん化する扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんがほとんどであるため、上皮の形態の異常を調べることによって口腔がんと確定診断を下すことができるため必須の検査となっています。

治療

口腔がんの治療は、がんの進行度、部位、年齢、治療後の生活スタイルなどさまざまなことを考慮して決定されます。具体的には次のような治療の中から患者さんに合ったものが選択されます。

手術

口腔がんの根本的な治療は、手術でがんを切除することです。基本的にはがんのある部位とその周囲を切除する手術が行われますが、あごの骨などにまでがんが広がっている場合には、骨を切除しなければならないことも少なくありません。早期がんであれば切除後、傷を縫い合わせて閉じれば大きな機能障害は残りません。しかし、進行した口腔がんではがんを切除した後に、腕や腹部などの皮膚・筋肉を移植して失われた部分の形を回復する“再建手術”を行うのが一般的です。また、転移した首のリンパ節を取り除くため、周囲のリンパ節も含めて切除する頸部郭清術(けいぶかくせいじゅつ)が通常行われます。このため、手術後は機能障害を改善させるためにリハビリテーションが行われます。

放射線治療

放射線を病変に当ててがんを縮小させる治療です。一般に放射線治療は進行した口腔がんに行われることが多いです。口腔がんでは、放射線治療を行う際には抗がん剤治療を併用することがあります。また、手術をした後に再発を予防する目的で行われることもあります。

抗がん剤治療

肺などに転移を起こしているような進行した口腔がんでは、抗がん剤治療が行われることがあります。一方で、抗がん剤は副作用が強いため、全身の状態が悪く体力が十分にないような場合には治療が行えないこともあります。そのようなケースでは、鎮痛剤や医療用麻薬などを用いてがんの痛みを和らげる緩和治療が行われます。

予防

上で述べたとおり、口腔がんは口腔ケアの不足や喫煙・飲酒などの生活習慣によって発症リスクが高まることが分かっています。そのため、口腔がんを予防するためには虫歯や入れ歯などが口の中のどこかに当たっていないかチェックし、口の中を清潔に保つことが大切です。喫煙や飲酒など好ましくない生活習慣についても改善を心がけましょう。

また、かかりつけ歯科医を持ち、定期的な口のメインテンナンスをすることも大切です。もし口の中に異常を感じたらすぐに相談するとよいでしょう。

実績のある医師

周辺で口腔がんの実績がある医師

東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻 口腔機能再構築学講座 顎口腔腫瘍外科学分野 教授

はらだ ひろゆき

内科、血液内科、膠原病・リウマチ内科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、美容外科、皮膚科、泌尿器科、肛門科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科

東京都文京区湯島1丁目5-45

JR中央・総武線「御茶ノ水」東京メトロ丸ノ内線も利用可能 徒歩3分、東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」 徒歩5分

東京慈恵会医科大学附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 講師

ながおか まさと

東京慈恵会医科大学附属病院―“根治”と”機能温存”の両立を目指し、希少がんの治療に挑む

日本の医療を支える東京慈恵会医科大学附属病院による頭頸部がんをテーマにした特集です。

救急科、総合診療科、消化器内科、肝臓内科、脳神経内科、腎臓内科、リウマチ科、膠原病内科、循環器内科、糖尿病内科、代謝内科、内分泌内科、腫瘍内科、血液内科、呼吸器内科、感染症内科、精神神経科、小児科、消化器外科、肝胆膵外科、乳腺外科、呼吸器外科、血管外科、小児外科、整形外科、脳神経外科、形成外科、心臓血管外科、婦人科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科、皮膚科、リハビリテーション科、歯科、脊椎脊髄外科、緩和ケア内科、産科、放射線科

東京都港区西新橋3丁目19-18

都営三田線「御成門」A5出口 徒歩3分、東京メトロ日比谷線「神谷町」3出口 徒歩7分、東京メトロ銀座線「虎ノ門」1番出口 徒歩10分

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