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きょうねんまくがん

頬粘膜がん

最終更新日
2020年11月19日
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2020/11/19
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

頬粘膜がんは、口腔がん(口腔内に発生するがん)の1つです。

口腔がんは、がんが発生する部位に応じて舌がん 、上顎歯肉がん、下顎歯肉がん、口底がん、硬口蓋(こうこうがい)がん、そして頬粘膜がんに分類されますが、日本でもっとも頻度が高いのは舌がんです。頬粘膜がんは舌、歯肉についで頻度の高いがんです。

頬粘膜がんの発症頻度は、日本では口腔がんの約10%程度といわれています。

しかし、世界で見ると東南アジアや台湾などでは舌がんよりも頻度が高い口腔がんとして知られています。このように地域によって頬粘膜がんの発症頻度に違いがあります。この理由として、各国の生活習慣と深い関わりがあるといわれています。

また、頬粘膜に発症しやすい病気で扁平苔癬(へんぺいたいせん)という良性の粘膜疾患があります。歯科金属やC型肝炎、薬物などが原因で発症することがあり、これらは口腔潜在的悪性疾患と呼ばれ頬粘膜がんの原因として知られています。頬粘膜は咬筋(こうきん)や皮膚、耳下腺という組織が存在し、これらにがんが進むとさまざまな障害を起こします。

頬粘膜がんに対する治療は手術、放射線療法あるいは化学療法を併用した化学放射線療法などがありますが、治療後には咀嚼(そしゃく)や構音などの機能、審美性にも影響を及ぼすことがあります。また、治療後の瘢痕(はんこん)により口が開けづらい、唾液の出口(耳下腺の開口部)が詰まってしまうことも問題となります。

がんの治療には根治性が重要ですが、このような機能面や審美面を考慮しながら治療方針を検討することになります。

原因

頬粘膜がんの原因は明らかではありませんが、生活習慣や口腔内の環境が誘因となることがあります。

東南アジアや台湾などは、日本ではみられない檳榔(びんろう)といった咬みたばこの習慣があります。頬粘膜にたばこ中の発がん物質がたえず暴露することにより、がんが発症するといわれています。これらの国では高率に頬粘膜がんが発症することが知られています。

したがって、ほかの口腔がんと同様に喫煙や飲酒、食物による化学的刺激、虫歯の放置や歯科不良補綴物(ほてつぶつ)(合わなくなった歯の被せ物や詰め物)などによる機械的刺激などが関連しています。

症状

がんのできた部分は硬くなることが多く、ただれて口内炎のように見えたり腫れを伴うようになったりすることもあります。

そのほかにも、出血しやすくなる、痛みを感じる、口臭が強くなるなどの症状が現れることがあります。

さらに病変が進行すると、開口障害(口が開きにくいなど)や頸部(けいぶ)リンパ節(首のリンパ節)転移が起こると頸部のリンパ節が腫れることがあります。

また、がんの前駆症状として、白板症(はくばんしょう)(粘膜が白くなる病気)や扁平苔癬の存在も問題となります。

検査・診断

頬粘膜がんは目に見える場所にできるがんのため早期発見が重要です。簡便な検査法として擦過(さっか)細胞診が有用です。定期的に行うことができるので、歯科などの専門機関でみてもらうとよいでしょう。

また、確定診断のため病変部位からの細胞や組織を採取して顕微鏡で検査する病理組織検査が行われます。これらの検査によりがんの診断が得られた場合、がんの大きさ、頸部リンパ節転移および遠隔転移(多臓器への転移)の有無を詳細に確認することが重要です。

そのため、CTやMRI、PET-CT、超音波検査などの画像検査が行われます。

また、口腔がんを発症した患者さんは食道、胃などの消化器系にがんを合併することもあるため、上部消化管内視鏡検査を行うことも検討されます。これらのがんを重複がんと呼び、口腔がんの約10%にみられます。

治療

頬粘膜がんを含めた口腔がんの標準治療は手術ですが、どのような治療が行われるかは病変部位や全身への広がり具合などを詳細に調べたうえで決定されます。

一般に手術を行う場合、切除後の開口障害が問題となるため、皮膚移植など体のほかの場所から組織を移植する手術も同時に行います。また、首のリンパ節に転移を認める場合には、リンパ節を周りの脂肪とともに摘出する頸部郭清術(けいぶかくせいじゅつ)が行われます。

遠隔転移がある場合や全身状態が良好でない理由などから手術ができない場合には放射線、化学療法などを組み合わせた治療が選択されます。

予防

頬粘膜がんは喫煙や飲酒、虫歯、歯科不良補綴物などを誘因として生じることがあります。そのため、禁煙やお酒を控えること、口腔内の清潔を保つことなどが、がんの発生を予防するためにも重要です。

また、白板症扁平苔癬など、がんの前駆症状も知られていることから、普段からかかりつけ歯科医に定期的に受診し、口の中の状態を確認してもらうとよいでしょう。

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