しーがたかんえん

C型肝炎

肝臓

目次

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概要

C型肝炎とは、C型肝炎ウイルス (hepatitis C virus: HCV) に感染した状態の総称です。

そのほとんどが肝炎を引き起こし、そのままにしておくと肝硬変や肝臓がんといった重篤な病気へと発展するリスクが高くなります。自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまうことも多くあります。

近年では次々と新薬が登場しており、その治療法は大きな進歩を遂げています。現在、C型肝炎は薬剤での完治が期待できる病気となっています。

原因

C型肝炎は、血液や体液を介してC型肝炎ウイルスに感染することで起こります。

以前は、フィブリノゲン製剤や血液凝固因子製剤といった血液製剤の使用による感染が大きな社会問題となりました。しかし、2017年現在では、管理体制の整備に伴い、その可能性はほとんどないといわれています。

現在、考えられる感染経路としては、性交渉、注射器の使いまわし(覚せい剤注射時など)、不衛生な医療器具(ピアスの穴をあける器具、入れ墨用の針など)の使用が挙げられます。

また出産時の母子感染も挙げられますが、可能性は低いといわれています。

症状

C型肝炎の症状は、一過性の炎症で終わる「急性肝炎」と炎症が継続的に続く「慢性肝炎」に分けられます。

C型肝炎ウイルスに感染すると、そのほとんどが肝炎を発症します。さらに、およそ70〜80%は慢性肝炎へ発展するとされています。

急性肝炎の症状

急性肝炎の症状には、倦怠感、食欲不振、吐き気、黄疸(おうだん)があります。

感染後およそ2〜3か月で症状が認められますが、その程度は軽いことが多く、単なる不調としか捉えられないことも多々あります。

慢性肝炎の症状

さらに、前述の通り、多くの人ではウイルスが自然に排除されることなく、慢性化して慢性肝炎へと進展します。

慢性肝炎になると、10〜15年の「非活動期」を経てウイルスが増殖を続けた後、「活動期」へと移行します。

活動期になると肝炎の症状が自然回復することは難しくなります。慢性肝炎はそのままにしておくと、肝硬変への移行や肝臓がんを罹患するリスクが高くなることが分かっています。

C型肝炎は自覚症状のないまま進行してしまう例が多く、黄疸や腹水貯留という特徴的な症状が現れた際には、すでに肝硬変や肝臓がんに移行してしまっている場合も見受けられます。

検査・診断

C型肝炎ウイルス (hepatitis C virus: HCV) に感染すると、体内でHCV抗体というタンパク質がつくられます。

診断時の検査では、一般的にまずこの抗体の有無をHCV第三世代抗体キットを用いて調べます。

この検査は、C型肝炎ウイルスに感染している場合だけではなく、過去に感染していた場合にも陽性反応を示します。また、感染している場合でも感染後2~3か月間は陽性反応を示さないことがあります。

これらのことを考慮し、HCV抗体検査が陽性である場合や性交渉などが原因の急性C型肝炎が疑われる場合には、HCV核酸増幅検査が実施されます。

この検査では、リアルタイム(TaqMan)PCR法を用いて、血液中にHCV-RNA(HCVの遺伝子)が存在しているかどうか、またどれくらい存在しているかを調べます。

治療

C型肝炎ウイルスが原因の急性肝炎は30〜40%が自然治癒するといわれており、慎重な経過観察が行われることに留まることが多いです。

状況によっては、経過観察のために入院が必要な場合もあります。2〜3か月経過しても改善が認められない場合は、慢性化の恐れがあるため薬剤による治療が開始されます。

2014年の前半まで、日本においてはインターフェロンを中心とした治療が行われていましたが、インターフェロンは副作用が強く、高齢の方には使用が控えられることがありました。

また、全体の約半数程度しかウイルスを排除できないといわれていました。

しかし、2014年7月に認可されたインターフェロンを使わない飲み薬「ダクラタスビル」「アスナプレビル」の2剤併用療法は、治験において約85%の症例でウイルス排除が可能であると報告されました。副作用も軽微であり、インターフェロン治療が困難であった高齢の方も治療が受けられるようになりました。

2015年には「レジパスビル/ソホスブビル」が登場し、1日1回12週間の服用でさらに高い治癒率が得られると報告されています。2015年末には「オムビタスビル/パリタプレビル」が登場しました。

そして、2017年にはインターフェロンフリー製剤である「グレカプレビル・ピブレンタスビル」が薬事承認されました。