かふんひふえん

花粉皮膚炎

最終更新日:
2024年04月16日
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2024/04/16
更新しました
2019/07/02
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概要

花粉皮膚炎はアレルギー性接触性皮膚炎の一種で、特定の植物の花粉に触れることで皮膚が赤く腫れたり、かゆみを伴ったりする状態です。花粉が飛散する時期に限りこのような症状を認め、それ以外の時期には無症状であることが特徴です。症状はまぶたや頬、首など、花粉が付着しやすい部分に現れやすい傾向にあります。またほとんどの場合、鼻水やくしゃみといった花粉症の症状を伴います。

花粉皮膚炎の原因となる植物(アレルゲン)には、スギやヒノキなど多数の植物が挙げられます。また、症状は乾燥などによって皮膚のバリア機能が低下した際に誘発されることがあります。

治療では、症状に応じて抗アレルギー薬などが用いられます。発症や症状の悪化を予防するためには、過剰な洗浄はせず、保湿と遮光を心がけて、皮膚のバリア機能を維持することがもっとも大切です。花粉が飛ぶ時期には可能な範囲で屋外での活動を避け、花粉に接触しないように心がけましょう。

原因

花粉皮膚炎は、スギやヒノキなど特定の植物の花粉に対するアレルギーによって生じます。

アレルギーとは、体内に存在しない物質に対して過剰な免疫反応が引き起こされる状態です。花粉皮膚炎は、原因となる花粉(アレルゲン)に接触してから15分〜30分で皮膚症状が出現する即時型アレルギーに分類されます。

花粉症の原因となるアレルゲンには約50種類以上の植物が挙げられますが、スギが全体の7割を占めるといわれています。

また、花粉皮膚炎の発症には皮膚のバリア機能低下が大きく関わっています。皮膚の表面を覆う表皮にはバリア機能が備わり、外部の刺激から皮膚内部を保護したり、皮膚を乾燥から守ったりする役割があります。しかし、花粉の飛散時期である2月〜4月は特に空気が乾燥するため、皮膚のバリア機能が低下します。バリア機能が低下した皮膚は花粉に対して敏感な状態になるため、免疫機能によってアレルギー反応を起こし、花粉皮膚炎を生じやすくなります。

症状

花粉皮膚炎では、原因となる花粉が接触した部位に赤みやかゆみ、乾燥などが現れます。じゅくじゅくするような湿疹ではなく、乾燥気味になることが特徴です。皮膚症状はまぶた、髪の毛が触れる頬や耳の周り、首などに現れやすい傾向にあります。さらに、皮膚の炎症が進行すると赤みがある部分が腫れたり、熱を持ったりすることもあります。このような皮膚症状が長期にわたって続くと、色素沈着が生じて皮膚が茶色っぽくなったり、ごわついて厚くなったりすることもあります。

このほか、くしゃみや鼻水、目のかゆみなど、いわゆる花粉症としての症状も伴います。

検査・診断

視診や問診、アレルゲンを特定する検査などが行われます。

視診では皮膚症状を観察し、問診にて原因となるアレルゲンを推定します。花粉の飛散時期に皮膚の赤みやかゆみなどが現れている場合には、花粉皮膚炎が疑われます。その際は原因となるアレルゲンを特定するために、血液検査やプリックテスト(針で傷付けた皮膚にアレルゲンを少量垂らし、15分〜30分ほど置いて皮膚の赤みや腫れなどの有無を調べる)が行われます。

治療

花粉皮膚炎に対する治療では、保湿外用薬や抗アレルギー薬を主とした薬物療法が行われます。

抗アレルギー薬には多数の種類があり、症状や生活習慣に応じて選択されます。症状によっては、漢方薬や点眼薬、点鼻薬を併用するケースもあります。

軽症の場合には保湿や抗アレルギー薬の内服によって症状が軽快することもありますが、症状の程度が強い場合には比較的作用の弱い副腎皮質ステロイド外用薬、免疫抑制外用薬を使用することもあります。

予防

花粉皮膚炎の予防には、皮膚のバリア機能を維持するほか、花粉から皮膚を保護することが有用です。

皮膚のバリア機能を維持する上では、皮膚に刺激を与えず、乾燥させないことが重要です。洗顔時は手で顔を擦らず優しく洗浄するようにし、洗顔後は十分な保湿を行いましょう。

また、花粉から皮膚を保護するためには、花粉が付着しやすい顔や首を露出させないようにする必要があります。外出時はマスクやつばの広い帽子、首まで覆う衣服などを着用するとよいでしょう。また、帰宅後は洗顔や手洗い、シャワー浴を行い、体に付着した花粉を素早く除去しましょう。洗濯物は部屋干しするほか、室内のこまめな清掃、空気清浄機の利用も有効です。

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