けつべん

血便

最終更新日:
2024年08月09日
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2024/08/09
更新しました
2018/09/05
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治療

血便の治療は、それぞれの原因に応じた治療が行われます。

大腸憩室症

無症状の場合は特別な治療は行われません。出血がある場合、まず絶食や点滴による保存的治療を行い、自然に止血するのを待ちます。保存的治療で止血が困難な場合は、内視鏡的止血術や動脈塞栓術(どうみゃくそくせんじゅつ)による止血処置を行います。これらの方法で改善しない重症例では、大腸の出血部位を切除する手術が検討されます。

  • 内視鏡的止血術……内視鏡を用いて出血部位を特定し、医療用のクリップで挟んで止血を行う方法
  • 動脈塞栓術……足の付け根の血管から細い管(カテーテル)を入れ、出血部位を特殊な物質で詰めて止血する方法

虚血性大腸炎

絶食や水分補給の点滴などの保存的治療による腸管の安静が基本となります。

による出血の場合、軽度であれば便通や生活習慣の改善指導や軟膏の塗布による保存的治療が行われます。保存的治療で改善しない場合は、痔核を取り除く外科的処置や肛門を広げる手術治療が行われます。

大腸がん

治療の基本はがんの切除です。内視鏡を用いた内視鏡治療や手術治療が主な治療法になります。そのほか病気の進行度や患者の状態に応じて薬物療法、免疫療法、放射線治療が組み合わせて行われます。

  • 内視鏡治療……早期がんに対して、内視鏡を用いてがんを切除する方法です。体への負担が少なく、入院期間も短いのが特徴です。
  • 手術治療……がんとその周囲の組織を外科的に切除する方法です。
  • 薬物療法……抗がん薬を用いてがん細胞の増殖を抑える治療法です。手術前後や転移したがんに対して行われます。
  • 免疫療法……患者自身の免疫機能を利用してがん細胞を攻撃する治療法です。免疫チェックポイント阻害薬が使用されます。
  • 放射線治療……放射線を照射してがん細胞を破壊する治療法です。手術が困難な場合にほかの治療法と組み合わせて行われます。

大腸ポリープ

がんになる可能性の高いポリープがある場合は、ポリープを切除する内視鏡治療や手術治療が行われます。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

主に薬物療法が中心となります。ピロリ菌が原因の場合は、抗菌薬による除菌療法を行います。そのほか、胃酸の分泌を抑制するプロトンポンプ阻害薬(PPI)や H2受容体拮抗薬、粘膜を保護する粘膜保護薬などの飲み薬を服用します。また、痛みや炎症を抑える非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が原因の場合は中止や変更を検討します。

炎症性腸疾患

炎症性腸疾患では、症状を和らげ、長期的に病気の活動性を抑えることを目指した治療が行われます。主な治療法は薬物療法です。使用される薬には、5-ASA製剤、ステロイド、免疫抑制薬、生物学的製剤などがあります。これらの薬は、体内の免疫の異常を抑えることで腸の炎症を抑制し、症状を緩和させる作用があります。重症例や薬物療法で効果が得られない場合は、手術療法が検討されることもあります。

感染性胃腸炎

主に症状を和らげる対症療法が行われます。十分な水分補給と休養が基本です。頻回の下痢や嘔吐で脱水状態に陥りやすいため、こまめな水分補給が必要となります。自力で十分な水分補給が行えない場合には点滴を行います。必要に応じて抗菌薬や整腸薬が処方されます。

このように血便を起こす病気は多岐にわたります。血便が現れた場合は必ず医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。特に持続する血便や大量の出血、強い腹痛や発熱を伴う場合は、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

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