けつゆうびょうえー

血友病A

最終更新日:
2020年05月20日
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2020/05/20
更新しました。
2018/08/01
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治療

血友病Aと診断された場合は重症度などに合わせて次のような治療が行われます。

第Ⅷ因子補充療法

血友病A患者に不足している正常なはたらきの血液凝固第Ⅷ因子を注射で投与する治療法で先天性血友病A患者に対する治療です。通常は出血を防ぐため、出血が見られていない状態であっても定期的に投与を行います。このような方法を“定期補充療法”と呼び、血友病性関節症の発症を抑える効果があるとして、現在では重症および一部の中等症の患者さんに対して一般的に行われるようになっています。

一方、出血が生じた際には、止血に必要な第Ⅷ因子を急速に投与する“オンデマンド療法”が行われます。

デスモプレシン投与

軽症~中等症先天性血友病Aのケースでは、出血時にデスモプレシンと呼ばれる尿量を調節するホルモンを投与する治療法があります。デスモプレシンには、体内に蓄えられている第Ⅷ因子を血液中に放出させる効果があるため、結果として止血を促すとされています。ただし、患者によっては第VIII因子が放出されない場合があること、また大量出血の場合や重症な場合には十分な止血効果が得られず、頻回に投与を行い過ぎると蓄えられていた第Ⅷ因子が使い尽くされ、効果が現れなくなるといわれています。

自己抗体(インヒビター)に対する治療

生まれつき血友病にかかっている人は、治療で多量の凝固因子製剤を投与するため、体の中で凝固因子に対する自己抗体(インヒビター)を作ってしまうことがあります。自己抗体が生じると、補充された凝固因子のはたらきが邪魔され、凝固因子製剤を投与しても効果がなくなってしまいます。

そこで、自己抗体のある患者には、“免疫寛容導入療法”や“中和療法”、“バイパス療法”などが行われます。免疫寛容導入療法とは、多量の凝固因子製剤を高い頻度で投与することによって自己抗体の産生を抑える治療方法です。中和療法とは、出血が止まらないときに行われる治療で、より多量の凝固因子を投与することで出血を抑えます。バイパス療法とは、血友病Aによって異常の起きている第Ⅷ凝固因子ではなく、それ以外の凝固因子を用いて血液を固めようとする治療です。一例として、活性型第Ⅶ因子製剤などが投与されます。

抗体製剤“エミシズマブ”の投与

抗体製剤“エミシズマブ”は注射によって投与することで、第Ⅷ凝固因子と似たような役割をする抗体製剤です。2018年に販売されるようになった比較的新しい薬剤で、インヒビターを持っている患者にも有効です。

後天性血友病Aの治療方法

後天性血友病Aの治療では、免疫抑制療法や中和療法、バイパス療法による止血治療が行われます。頭や胸、腹部など、出血すると命に関わるような部位から出血した場合や、出血することによって貧血が進行するような部位からの出血の際に行われることが一般的です。

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