原因
血友病Aは血液を固める物質のひとつである“血液凝固第Ⅷ因子”の産生量が少なかったり、機能が低下したりすることによって発症します。
その主な原因は、性染色体の一種であるX染色体上にある第Ⅷ因子の遺伝子の変異です。X染色体は男性に1本、女性に2本存在し、性染色体が“XY”型の男性では1本のX染色体に遺伝子変異があると100%血友病Aを発症します。一方、性染色体が“XX”の女性では、1本のX染色体に異常があっても、もう片方になければ血友病Aは発症しないことが一般的です。このため、血友病Aは男児に多く発症するのが特徴です。
一方、このような生まれつきの遺伝子変異によるもの以外にも、血友病Aは免疫反応の異常によって血液凝固第Ⅷ因子を攻撃する“自己抗体”が産生されることが原因で発症することがあります。このような血友病Aを“後天性血友病A”と呼びますが、明確な発症メカニズムは解明されておらず、加齢、妊娠、関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患が発症の引き金になりうると考えられています。
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