検査・診断
血栓性血小板減少性紫斑病の原因となるADAMTS13の確定診断には、ADAMTS13のはたらき(活性)を測定する検査とADAMTS13に対する自己抗体があるかを調べる2つの検査があります。これらの検査は、2018年より保険診療で行えるようになりました。
そのほか、血液中の血小板や赤血球の数、腎臓の機能を確認するために血液検査や尿検査などが行われます。
ADAMTS13検査
ADAMTS13検査は、原因の分からない血小板の減少がみられた際に行われることが一般的です。検査内容は大きく2つに分けられます。
1つは、ADAMTS13のはたらき(活性)を測定する検査です。具体的には活性が10%未満まで低下している場合には、血栓性血小板減少性紫斑病と診断されます。
2つめは、ADAMTS13の活性を低下させる自己抗体(インヒビター)があるかを調べる検査です。この検査で自己抗体がある(陽性)と判断された場合、後天性TTPと診断されます。一方、この検査でインヒビターがない(陰性)と判断された場合は先天性血栓性血小板減少性紫斑病が疑われます。
自己抗体が陰性であった場合
検査でインヒビターが陰性であっても、自己抗体が存在するという可能性もあるため、患者の年齢や症状、かかっている病気などに応じてより詳しい検査を行うことがあります。先天性血栓性血小板減少性紫斑病が疑われる例では、両親のADAMTS13活性検査や本人の遺伝子解析などを行い、確定診断に至ることもあります。
血液検査
血液検査で血小板が10万/μL未満の場合、ヘモグロビンが12g/dL未満の場合、血清クレアチニンが上昇している場合などは血栓性血小板減少性紫斑病が疑われます。
尿検査
尿潜血、尿タンパクの陽性などがみられた場合、血栓性血小板減少性紫斑病が疑われることがあります。
医師の方へ
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