けっせんせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう

血栓性血小板減少性紫斑病

概要

血栓性血小板減少性紫斑病とは、ADAMTS13と呼ばれるタンパク質のはたらきが悪くなることで、血管の中に血の塊(血小板血栓)が生じ、結果的に血小板が減少して出血班をきたす病気を指します。発熱や皮膚のあざ、息苦しさ、疲れやすさ、精神症状、腎臓の機能障害などが見られる可能性がある病気です。

血栓性血小板減少性紫斑病は、日本においては難病指定を受けた病気のひとつに挙げることができます。これによると、人口100万人当たり毎年4人程度の患者さんが、血栓性血小板減少性紫斑病の発症に至ると想定されています。

血栓性血小板減少性紫斑病は、生まれつきの原因(先天的な原因)をもとにして生じることもあれば、後天的な要因(後天的な原因)をもとにして引き起こされることもあります。原因検索を行いつつ、血漿交換療法、ステロイド、抗血小板薬の使用などが行われます。病状が急速な経過で増悪することもあるため、病気の存在が疑われ次第、早急に対応することが求められる病気です。

原因

血栓性血小板減少性紫斑病は、ADAMTS13と呼ばれるタンパク質のはたらきが悪くなることを原因として発症します。ADAMTS13は、血小板がうまくはたらくために必要不可欠なタンパク質です。このはたらきが阻害されることで、血栓性血小板減少性紫斑病に特徴的な症状が引き起こされると考えられています。

生まれつき、ADAMTS13をつくるために重要な遺伝子に異常があると血栓症血小板減少性紫斑病を発症することがあります。この場合、常染色体劣性遺伝と呼ばれる遺伝形式をとり、親子間の病気の遺伝が問題となることもあります。

また、後天的な要因としては、免疫機能の異常、HIV感染症、肝臓の機能低下などを例に挙げることができます。

症状

血栓性血小板減少性紫斑病では、発熱や貧血が生じたり、血の塊が血管に詰まったりすることから、さまざまな臓器に異常が見られる場合があります。貧血が生じると、疲れやすくなったり、動悸を感じたりするようになります。

また、臓器障害に関連した症状として、以下のものがあります。

  • 血尿
  • タンパク尿
  • 尿がでない
  • 意識変容
  • 話しにくさ
  • 手足の動かしにくさ
  • けいれん

など

血の塊が形成されることと関連して、手足にあざができやすい、口腔粘膜に出血が見られるなどの症状につながることがあります。さらに、出血をきたすことから、全身状態の悪化を見ることもあります。

さまざまな症状が見られる可能性のある血栓性血小板減少性紫斑病ですが、患者さんによって見られる症状が異なることも知られています。

検査・診断

血栓性血小板減少性紫斑病は、発熱や意識レベルの変化、けいれんなどの症状をもとにして疑われます。この診断には、血液検査や尿検査が行われます。これらの検査を通して、腎機能障害、貧血、血小板の減少などの状況を評価します。貧血は、さまざまな原因をもとに生じることが知られているため、血栓性血小板減少性紫斑病とそれ以外のどちらによるものなのかを詳細に検索することが求められます。

また、原因の項目で記載したように、血栓性血小板減少性紫斑病はADAMTS13のはたらきが悪くなることで発症します。血液検査をすることで、この状況を確認することも病気の診断のためには必要です。

治療

血栓性血小板減少性紫斑病では、体内で不足しているADAMTS13のはたらきを補填することが重要です。ADAMTS13は血液中に含まれるタンパク質であるため、新鮮凍結血漿と呼ばれる献血成分の投与を受けることがあります。また、ADAMTS13が不足している患者さんの血液成分と、健常人から得られた血液成分を交換する「血漿交換」と呼ばれる治療方法が選択されることもあります。

先天的なものが基盤となっている場合には、定期的に新鮮凍結血漿を補充することが必要とされる場面もあれば、病状の増悪があるときに限った対応ですむ場面もあります。

ステロイド療法、抗血小板療法、免疫抑制剤の使用など、病状に合わせて検討されることもあります。

血栓性血小板減少性紫斑病は、診断そのものに難渋することがあり、迅速に対応することが求められる病気です。そのため疑わしい症状がある際は、早期に医療機関を受診することがとても大切です。

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