症状
認知症では、もの忘れ(記憶の障害)、これまでできたことができなくなる(遂行機能の障害)、言葉や認識力の低下といった認知機能の障害(“中核症状”とよばれます)に加えて、“認知症の行動・心理症状(BPSD)”と呼ばれる不安、幻覚、妄想、うつ症状、興奮、暴言・暴力、徘徊などの症状もみられます。
認知症の中核症状
認知機能の障害を指します。認知症の原因としてもっとも多いアルツハイマー病についてみると、初期からもっとも目立つ症状は記憶力の低下です。記憶力の低下は年齢を重ねれば誰にでも起こるものですが、アルツハイマー病では、最近の出来事(エピソード)についての記憶が著しく低下することが特徴です。たとえば、“昨日、レストランで夕食を食べた”という出来事があった場合、レストランの名前がなかなか思い出せないというのは正常でもみられることですが(“度忘れ”)、レストランに行って夕食を食べたこと自体を忘れてしまうのは病気です。 進行すると、日時や場所が分からなくなり(見当識の障害)、物事を理解し判断する力が低下していきます。さらに、日常的に行う簡単な家事などの手順が分からなくなることや、言葉が分からないといった症状も出てくるようになります。
認知症の行動・心理症状(BPSD)
認知症の中核症状に伴ってBPSDとよばれる症状がみられます。BPSDには、不安、幻覚、妄想、うつ症状などの心理症状、不穏、興奮、暴言・暴力、徘徊などの行動症状があります。
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