検査・診断
症状の経過から認知症が疑われる際には、認知機能ばかりでなく、運動や感覚などを含め脳神経系全体の異常を把握するための診察(“神経学的診察”といいます)を行います。その次に、以下のような検査を計画し実施します。
認知機能検査
記憶、注意、計算、言語などの認知機能を調べるための検査です。診察時には長谷川式簡易知能評価スケール(改訂版)(HDS-R)、ミニメンタルステート検査(MMSE)などの簡易検査を行いますが、症状に応じて、さらに詳しい検査を計画します。
血液検査
甲状腺ホルモンなどのホルモンの異常、ある種のビタミンなどの栄養素の異常、肝臓病などによる代謝の異常、梅毒などの感染症などによって、認知機能の低下をきたすことがあります。それらを血液検査によってチェックします。
画像検査
脳の状態(かたち)をチェックするために、頭部CT、MRI検査などで異常(萎縮や脳梗塞・出血など)の有無をみます。
また、脳の機能を調べるために、SPECT検査で脳の血流を、PET検査で脳の代謝の異常を調べます。また、PET検査でアミロイドやタウの蓄積をみる検査もあります。ただし、PET検査は全て保険適用外です。
脳脊髄液検査
脳炎などが疑われる場合などは腰椎穿刺(腰から針をさします)を行い、脳脊髄液を検査します。また、脳脊髄液中に含まれるアミロイドβやタウの測定はアルツハイマー病の診断に有用です。
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