治療
貧血の原因を特定して、原因に応じた治療を行います。
鉄欠乏性貧血の場合は、主に鉄剤の内服が検討されます。鉄剤の内服によって悪心、嘔吐などの副作用が生じる場合は、通院して鉄剤を注射で投与します。近年、カルボキシマルトース第二鉄やデルイソマルトース第二鉄のように、鉄剤が多く含まれ週に一度の投与でも薬の作用が持続する注射薬が保険適用されました。1~3回の投与で症状の改善が見込めるケースもあり、患者の通院負担が以前より減る点がメリットに挙げられます。一方、注射薬は直接血管内に投与するため鉄過剰に陥る可能性がある点は注意が必要です。人体には鉄を排泄する機能がなく、鉄過剰を改善することは容易ではないといわれています。鉄過剰とならないためには、定期的に血液検査を行って過量投与になっていないか確認することが大切です。
貧血の改善には食事療法も重要です。栄養バランスが整った1日3食の食事を基本として、貧血の改善につながる栄養素や食べ方のポイントなどを指導します。重症の貧血の場合、たとえば強い症状が出ていたり、心臓の負担が大きかったりするときには、輸血が行われることもあります。
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